生活保護、「親族照会」は申請者の意向尊重を 厚労省が新通知、支援団体「大きな前進」

2021年4月9日 06時00分
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で

厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で

 生活保護を申請すると、自治体の福祉事務所が申請者の親族に援助ができないかどうか確認する「扶養照会」について、厚生労働省は照会を拒む申請者の意向を尊重するよう求める通知を自治体に出した。通知は1日付。新型コロナウイルスによる困窮者の増加に対し、扶養照会のため「家族に知られたくない」と生活保護の申請をためらう人が多く、批判が出ていた。支援団体は新通知を「満点とは言えないが大きな前進」と評価している。(編集委員・上坂修子)

◆拒む理由「特に丁寧に聞き取りを」

 福祉事務所の職員が実務で参照する生活保護手帳別冊問答集に「要保護者が扶養照会を拒んでいる」場合には「その理由について特に丁寧に聞き取り」を行って、親族が「扶養義務履行が果たせない者」に該当するか否かという観点から検討するよう求めた。
 弁護士や有識者らでつくる生活保護問題対策全国会議の小久保哲郎事務局長は「これまで申請する当事者の意思は確認の対象になっていなかった。不要な扶養照会を相当減らせる」と指摘。その上で「われわれは申請者が事前に承諾した場合に限ることを要望しており、このレベルまで行ってほしい」と、一層の改善を厚労省に求めた。
 一般社団法人「つくろい東京ファンド」(東京)が昨年末から年始に実施したアンケートによると、生活に困窮していても生活保護を利用していない人の3人に1人が、その理由を「家族に知られるのが嫌だから」と回答している。

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