アストラ社製ワクチン、欧州で接種制限相次ぐ 血栓「副反応」認定で WHOは「まだ証明ない」

2021年4月8日 20時21分
英製薬会社アストラゼネカとオックスフォード大が共同開発した新型コロナワクチン=アストラ社提供

英製薬会社アストラゼネカとオックスフォード大が共同開発した新型コロナワクチン=アストラ社提供

 【パリ=谷悠己、ロンドン=藤沢有哉】欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が7日、血栓症を英製薬大手アストラゼネカ製新型コロナウイルスワクチンの「副反応」と認めたことで、接種に制限を設ける国が相次いでいる。これまで静観を保ってきた英国も制限する見込みで、日本など世界各国が調達予定のアストラ社製への不信につながる恐れもある。
 EMAは7日、欧州各国で340万人の接種者のうち220人(4日現在)に発症が報告された血栓症をアストラ社製の副反応と認める調査結果を公表。発症のメカニズムは不明だが、比較的若い年代の女性に確認例が多いという。
 EUはEMA報告を受けて保健担当相会合を開き、接種制限については各国ごとではなくEU共通で判断する方針を確認した。ただAFP通信によると、ベルギーはアストラ社製の接種者を55歳以上、イタリアとスペインは60歳以上に制限することを決定するなど独自に制限導入に踏み切る国が出ている。
 3月末までに79人が発症し19人が死亡した英国でも7日、専門家グループが「年齢が下がるにつれて発症率が上がる可能性がある」と分析。アストラ社製は既に2000万回分以上投与され接種計画の主力だが、ジョンソン首相はツイッターへの投稿で、30歳未満への接種を制限するようとの専門家グループの勧告に従う考えを示した。
 アストラ社製は世界保健機関(WHO)などが主導して公平分配を目指す国際的枠組み「COVAX(コバックス)」の主力でもある。WHOは7日の声明で血栓発症との因果関係を「考え得るがまだ証明されていない」として、慎重な姿勢を強調した。
 アストラ社は声明で「非常にまれな血栓症発症についての明確な原因は特定されていない」と訴えつつ、「全体として、ワクチンが、コロナによる重症化を高水準で防ぐことが再確認された」と説明した。
 欧州では3月に血栓発症の可能性が浮上した際、多くの国がアストラ社の使用を一時停止した。死亡例が出ているデンマークとノルウェーを除いて停止措置は解除されたが、フランスやドイツなどが年齢制限を設けていた。

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