「一歩ずつ前進し、花を咲かせる」 ミャンマー、犠牲者を悼み靴に抵抗の思い
2021年4月8日 20時25分
【バンコク=岩崎健太朗】ミャンマー国軍の弾圧による市民の死者が、7日夜時点で600人を超えた。現地メディア「ミャンマー・ナウ」が報じた。犠牲者には40人以上の子どもも含まれており、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)議員らによる事実上の「臨時政府」は6日、超法規的殺人や拷問を含む「18万件の広範な人権侵害の証拠を集めた」と警告。国連や人権団体に緊急な対応を要請している。
現地メディアによると、国軍側は抵抗運動の一掃に銃のほか小型爆弾も使用しており、一部の市民は手製の銃などで応戦するなど衝突が激化。7日は最大都市ヤンゴンの国軍関係の住宅や事務所付近で複数回の爆発があった。国軍系放送は「暴徒による襲撃」と伝えたが、市民側は「弾圧の口実に国軍が仕組んだ」と批判している。
8日は市民グループの呼び掛けで、市民が靴に花を飾り、街角や自宅に並べて犠牲者を悼んだ。ネットには靴の写真に「一歩ずつ、花を咲かせる」と抵抗継続の思いを込めた言葉が投稿された。
一方、ミン・アウン・フライン総司令官は6日の会合で「民主的な方法で、実弾は使わず威嚇にゴム弾を使用している」と主張。クーデター以降の死者は警官16人、抗議者248人だとした。
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