「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」どう違う? 政府の思惑と本音は

2021年5月14日 10時11分
 東京都が新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」適用を要請したことを受け、政府は4月9日、都などへの重点措置適用を決める。1月から続いた緊急事態宣言の全面解除から半月余り。弱った経済にさらに打撃を与えないよう、宣言の再発令を避けたい政府は、重点措置の活用で乗り切りたい意向。だが、重点措置が適用されている地域では感染者数が緊急事態宣言のレベルに達しつつあり、本来は宣言の前段階に出す重点措置で対応することに批判が出ている。(清水俊介)=2021年4月9日東京新聞朝刊に掲載

◆休業は要請できず 時短は可能、罰則も

 重点措置は、緊急事態宣言に至る前に感染拡大を抑えるため、2月に成立した改正新型コロナ特措法で新設された。緊急事態宣言のように飲食店に対し休業の命令や要請はできないが、営業時間短縮の命令や要請はできる。緊急事態宣言の前段階で私権制限を伴う措置を講じることには批判があるが、命令に違反した事業者には20万円以下の過料を科すことができる。
 対象地域も緊急事態宣言は都道府県単位で設定されるのに対し、重点措置は市区町村などに限定することが可能だ。
 今年発令された緊急事態宣言は飲食に的を絞ったもので、営業時間短縮の要請が対策の柱。昨年4月から5月の宣言のように、広い範囲で経済活動を制限するようなことはしなかった。政府関係者は「飲食に限定した対策でも『緊急事態宣言』として出さざるを得なかった」と主張する。
 宣言が長期化して効力が弱まったと指摘されることも踏まえ、今回は重点措置で乗り切り、再度の宣言は何としても避けたいのが政府の本音だ。

◆適用しても自治体頼み…大阪、3日連続で過去最高

 しかし、重点措置の効果は、はっきりしない。既に重点措置が適用された大阪府の8日の新規感染者は905人。3日連続で過去最高を更新した。政府の対策分科会が緊急事態宣言の発令の目安として示す「ステージ4(感染爆発)相当」の指標が複数ある。
 政府高官は「重点措置を適用しても、都道府県がどのような対策をするかが重要。すぐ効果が出るわけじゃない」と語り、自治体頼みであることを示した。
 立憲民主党の泉健太政調会長は記者会見で「レベルとしては緊急事態宣言だ。政府は飲食店対策だけでなく、基本的に政府の政策を強化するというメッセージを出し直す必要がある」と批判した。

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