原発処理水の海洋放出に中国「周辺国と協議を」 韓国メディアも懸念伝える

2021年4月9日 19時23分
 【北京=中沢穣、ソウル=相坂穣】日本政府が東京電力福島第一原発で発生した処理水を海に放出する方針を固めたことについて、中国外務省の趙立堅ちょうりつけん副報道局長は9日の定例記者会見で「周辺国との十分な協議の上で、慎重に処理方法を決めるべきだ」と注文をつけた。
 趙氏は「日本政府が自国民や周辺国、国際社会に対し高度に責任ある態度を堅持するべきだ」とも述べた上で「厳格かつ正確、透明性のある情報公開」も要求。中国でも処理水の海洋放出への関心は高く、ネット上では強い反対意見が大半を占めるが、趙氏は直接的な批判は避けた。
 韓国では、原発事故後の除染や日本産の農林水産物などに不信感が強く、処理水の海洋放出にも与野党の政治家が懸念を示してきた。公共放送KBSは9日、日本の野党や漁業関係者の声を紹介し「日本国内でも懸念や不信があるのに、国際社会をどう説得するのか納得しがたい」と伝えた。
 9日午後時点で政界からの目立った反応はないが、次期大統領選の与党「共に民主党」有力候補の李在明イジェミョン京畿道知事はかねて海洋放出に強く反対。ライバルの李洛淵イナギョン前首相も、日本政府に慎重な対応を求めている。対日政策が争点化し、世論が反応する可能性もある。

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