まん延防止 多摩6市 飲食店「勘弁して」 店舗数、交通の便も考慮

2021年4月10日 07時12分

多くの人が行き交う多摩地域の交通の要衝、JR立川駅のコンコース

 新型コロナウイルス感染症対策の「まん延防止等重点措置」の都への適用が決まった九日、多摩地域で対象となった六市の飲食店からは、緊急事態宣言の解除からわずか三週間で再び営業時間の短縮を余儀なくされることに「勘弁してほしい」と嘆きが漏れた。中には感染者が急増していない市もあるが、都は飲食店数や二十三区からのアクセスも考慮し、対象にした。
 立川市柴崎町で居酒屋「おやひなや立川店」を経営する俣本哲哉さん(54)は「立川は感染者数は少ないし、自粛している人も多いのに…」とこぼした。営業時間短縮には協力するが「『まん延』という言葉が出ると、すぐに売り上げが落ちる」と肩を落とした。
 重点措置対象は立川市のほか、武蔵野、八王子、町田、府中、調布の各市。小池百合子知事は九日の記者会見で「特に店舗数、人口割で感染者数が多いところ、これらをベースに総合的に判断した」と説明した。
 立川市は緊急事態宣言解除後の感染者数が人口比だと二十三区の65%程度で、五日以降は一日当たり二〜四人。ただ、JR中央線、青梅線、南武線、多摩都市モノレールが行き交う交通の要衝で、JR立川駅周辺は多くの飲食店が軒を連ねる。
 武蔵野市にも似た事情がある。新規の感染者数は一日一〜三人で推移しているが、杉並、練馬両区に隣接し、吉祥寺駅前をはじめとして多数の商店街がある。同駅北口近くの「ハーモニカ横丁」で居酒屋などを経営する手塚一郎さん(73)は「対象は二十三区だけだろうと予想していたので、がっかりした」。都に対し「営業時間を一時間短縮するとかえって混雑を招く。説得力のある時短の効果を示してほしい」と求めた。
 八王子市は人口約五十六万人で、多摩地域最多。八日の新規感染者は二十六人に上った。JR八王子駅近くで居酒屋を営む男性(51)は「近くで感染者が出ているので仕方ない」と認めながらも「年内をめどに店を畳むしかない」と吐露した。
 人口二位の町田市でカフェ「双方形」を経営する清原理(おさむ)さん(62)も「正直つらい。国には全面休業の要請で感染を抑えてもらった方がよかった」と話した。

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