<新型コロナ>誰を優先?迫る高齢者ワクチン接種 埼玉、月内は対象の2%のみ

2021年4月10日 07時16分

高齢者向けにワクチン接種券の発送作業をする職員たち=戸田市福祉保健センターで

 六十五歳以上の高齢者への新型コロナウイルスワクチンの接種が、さいたま市を皮切りに県内でも来週から始まる。感染対策の切り札として期待されるが、今月中に届くワクチン量は対象となる百九十三万六千人のわずか2%。供給が限られる中、誰を優先し、どんな体制で接種を進めていくのか。各自治体が調整を迫られている。 (近藤統義、久間木聡、渡部穣)
 県は高齢者の人口規模などを踏まえ、さいたま、川口、戸田、和光、本庄、ふじみ野、川越、所沢、三郷、寄居、毛呂山の十一市町に、今週から十九日の週にかけてワクチンを先行配分する。全市町村に配るのは二十六日の週からとなる。
 ただ、今月中に届く見込みのワクチンは十一市町が千四百六十人分。残りの市町村は四百八十五人分にすぎない。このため、まずは高齢者施設の入所者に絞って接種を始める自治体が多い。
 十二日に始めるさいたま市は、集団感染の恐れがあるとして十五カ所の特別養護老人ホームの入所者を優先。高齢者は市内に約三十万人おり、入所者以外まで行き渡るめどは今のところ立っていない。川口、和光、三郷市なども入所者から接種を始める。
 一方、対象の年齢区分を独自に設けるなどして、一般の高齢者に接種する自治体もある。戸田市は施設入所者と、八十五歳以上の一般の高齢者を並行して接種する。対象を六十五歳以上にすると予約が殺到する恐れがあり、人数を絞るために八十五歳以上に設定。市幹部は「入所者向けだけでは接種が始まった実感が市民に広がらない。身近な地域の病院でも個別接種を進めることで、自分も受けようという機運醸成につながれば」と説明する。
 毛呂山町は、四月に届くワクチンは施設向けには割り振らず、八十歳以上に公民館で集団接種を実施する。町担当者は「施設入所者は本人や親族への接種希望の確認に時間がかかるという事情もある。五月以降に供給量が増えれば、入所者の接種も同時に進めたい」と話す。
 本庄市は施設入所者と一般の高齢者の区別なく、予約の先着順に接種する。担当者は「優先順位を決めるのは難しく、平等にするため。六月中には六十五歳以上の人全員分のワクチンが届く予定なので落ち着いて対応してほしい」と説明。六十五歳以上の約二万四千人には接種券を発送済みで、予約は十九日から、コールセンターか専用のウェブサイトで受け付ける。
 自治体同士の広域連携で体制を組む動きもある。秩父地域の一市四町(秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町)は集団接種、個別接種のいずれも、居住地以外の自治体でも受けられるよう準備している。生活圏が一体となっていることなどから、秩父郡市医師会と協力して地域が連携した接種体制を整えた。
 五月十六日から予定している集団接種の会場は各市町に一カ所ずつ。同二十四日からの個別接種は、秩父市立病院をはじめ地域内四十九の医療機関で受けられる。

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