バイデン大統領、トランプ政権とは真逆の予算方針 気候や教育など重視

2021年4月10日 19時41分
バイデン大統領=AP

バイデン大統領=AP

 【ワシントン=吉田通夫】バイデン米政権は9日、2022会計年度(21年10月~22年9月)予算の主な歳出要求項目を議会に提出した。気候変動対策や教育、医療など国防以外の予算を7694億ドル(約84兆円)と前年度よりも15.9%増やし、国防費の増加を抑えるよう求めた。トランプ前政権とは真逆の方針で、路線変更が鮮明になった。
 提出したのは、歳出要求のうち政権の意向を反映しやすい「裁量的経費」の約1兆5220億ドル。歳出総額の3割程度を占め、国防費と非国防費に分かれている。
 バイデン大統領が力を入れる気候変動対策には、21年度より140億ドル増やすよう要求。温室効果ガスを排出しない「クリーン電力」の技術開発に100億ドル超を計上するほか、復帰した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で定めた目標の実現に向け、途上国などを支援する「緑の気候基金(GCF)」に12億ドルを拠出する。
 このほか、新たな感染症もにらんだ公衆衛生対策や、格差解消のための教育政策、銃規制などバイデン氏が重視する政策に重点的な予算配分を求めた。
 一方、国防費は1.7%増の7530億ドル。中国への対処を最優先課題と位置付け同盟国と連携するとしたが、物価上昇率を加味するとほぼ横ばいの水準に抑えた。
 トランプ前政権は、国防費を毎年度5%以上増やし、国際協力費などほかの予算を削ってきただけに、対照的な要求姿勢となった。バイデン政権の高官は報道陣に「その傾向を逆転し、国力の基盤に投資するべき時だ」と語った。
 固定費など「義務的経費」や歳入見通しも含めた予算全体の編成方針「予算教書」は後日提出する。議会は教書を参考にしながら予算を編成する。

 米国の予算編成 米国では議会に予算の編成権がある。政府は予算案を提出できないが、予算編成の参考になるよう例年2月に翌会計年度(10月~翌年9月)の財政運営方針を示す「予算教書」を提出。上下院が予算案を可決し大統領が署名して成立する。バイデン大統領の教書づくりは遅れており、提出は今年5月になるとみられている。

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