混迷ペルー大統領選、候補18人乱立 11日投開票、汚職や政権交代…国民は不信感あらわ

2021年4月11日 06時00分

ペルーの首都リマ郊外で3月、ケイコ氏の写真が載ったカレンダーを掲げる支持者の女性=AP・共同

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】昨年11月に大統領が2度交代するなど政治の混迷が続く南米ペルーで11日、任期満了に伴う大統領選が投開票される。国民の政治不信の解消やコロナ禍からの経済再建が課題だが、フジモリ元大統領の長女ケイコ氏(45)ら18人が立候補する大混戦で、勝敗は6月の決選投票にもつれこむとの見方が強い。
 「この国の政治情勢は嘆かわしいばかり。国民は政治家に裏切られ続けている」。ペルー北部の医学生シャーリー・エレーラアルセさん(23)は本紙の電話取材に不信感をあらわにした。
 同国では昨年11月、州知事時代に建設業者から賄賂を受け取ったとされる疑惑で、当時のビスカラ大統領を国会が罷免。国会議長として罷免を主導したメリノ氏が後を受けたが、権力闘争に反発する市民デモが激化し、5日後に辞任した。現在は混乱収拾のため選出された中道派サガスティ氏が大統領を務める。
 ビスカラ氏の前任クチンスキ氏も汚職疑惑で辞任しており、2016年の前回選後、大統領は4人目だ。選挙監視機関でボランティアをするなど政治意識の高いエレーラアルセさんだが、「少しでも腐敗から遠い大統領を選ぼうと思っても、すぐには無理かもしれない」と話す。
 今回出馬した18人のうち、3度目の挑戦で知名度の高いケイコ氏は有力候補の1人とされるが、3月に資金洗浄の疑いで訴追されるなどイメージが悪化。調査会社イプソスによると、同月末の支持率は11.2%で5位だった。
 ただ、格差是正を訴え首位につける元国会議員ジョニー・レスカノ氏(62)でも14.7%と本命は不在。他にも著名経済学者(79)やサッカー元同国代表(38)らがひしめき、「近年最も予測不能なレース」(ロイター通信)となっている。11日に得票率50%以上となる候補が出なければ、上位2人による決選投票が6月6日に行われる。
 ペルーは新型コロナウイルスによる死亡率が高く、昨年の経済成長率見通しは営業規制などの影響でマイナス11.1%と南米平均の同6.6%を大きく下回った。ワクチン接種率も1%と隣国チリの2割以上に遠く及ばず、コロナ禍からの復興策も主要な争点となっている。

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