[春がきた] 東京都北区 中村悦子(60)

2021年4月11日 15時56分

◆わたしの絵本

イラスト・まここっと

◆300文字小説 川又千秋監修

[季語にかこまれて] 名古屋市北区・主婦・62歳 山田由美子

 「蝉氷(せみごおり)」という言葉を、先日、知った。
 冬の季語。蝉の翅(はね)のように透き通って薄い氷のことだ。
 この二文字で、そんな氷が目に浮かぶ。俳句を作るようになって、今まで気づかなかった身の回りの季語を知った。
 「風光る」は、春のキラキラした光の風を表す季語。
 「風薫る」は、夏。木々の緑の香りを運ぶ心地よい風のこと。
 風にもいろいろな表情があるのだ。
 私の好きな秋の季語は「黄落」。
 色づいたイチョウやクヌギの葉が、とめどなく散る風景。美しい。
 歳時記をめくり、日本語ってすごい! と思いながら、季語に囲まれて楽しく過ごしている。
 もうすぐ「山笑う」春がやってくる。

<評> 五・七・五音、十七文字の定型に、季語を組み込むのが俳句作法の基本。歳時記には、日本の四季をさまざまに表現した言葉がぎっしり詰まっています。あなたならではの一句を花開かせてください。

[私だけの世界] 愛知県扶桑町・中学生・14歳 川戸悠愛

 カチッ…カチッ…静かな空間に時計の針の動く音がする。
 どれくらい時間がたったのだろう。そんなことを考える暇もなく、私はページをめくる。
 私の右どなりには読み終わった二冊の本。ジャンルはまったく違うけれど素敵(すてき)な本たち。私は、この本の世界に入り込んでいた。
 ああ、もっといろんな世界に入りたい。もっともっとたくさん読みたい。
 本に囲まれている大好きな空間。大好きな本のにおい。大好きなこの時間。他の誰にも邪魔されない私だけの時間。私を本の世界に連れて行ってくれる時間。
 私はページをめくる。ああ、最後のページだ。
 パタンと音がして世界が終わった。
 ガタン! 席を立ち、次の世界を探しに行く。

<評> 新しい書物を手にした時のドキドキ感は、格別です。開いたページの向こうには、いったい、どんな世界が広がっているでしょう? 時間を忘れて読書にふける…そんな体験は青春の宝物。さあ、もう一冊!


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