やまゆり園での採火中止を 遺族ら相模原市に要請「遺族の気持ちないがしろ」

2021年4月12日 19時18分
事件から4年を迎えた津久井やまゆり園の献花台には、たくさんの花が手向けられた (2020年7月)

事件から4年を迎えた津久井やまゆり園の献花台には、たくさんの花が手向けられた (2020年7月)

 2016年7月に入所者ら45人が殺傷された相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で東京パラリンピックの聖火を採取することに、事件の被害者の遺族や家族が反対していることが12日、分かった。「家族が犠牲になった場所で採火が行われるのは違和感がある」として、市と神奈川県に中止を要請した。
 要請したのは、事件で犠牲になり、昨年1~3月に開かれた横浜地裁公判で名前だけ明かされた美帆さん=当時(19)=の遺族と、重傷を負った尾野一矢さん(48)の父剛志さん(77)。
 要請書には美帆さんの遺族の「家族が犠牲になった場所で採火が行われるのは違和感がある。遺族の気持ちがないがしろにされるようで悲しい」という思いが記され、心の傷が癒えない中、パラリンピックという祭典の一環として採火することに違和感があるとしている。市から事前の説明や相談はなかったという。
 市は、同園での採火は、共生社会実現を目指すパラリンピックの理念に沿うと考え、施設を管理する神奈川県などの了解を得て、方針を決めたとしている。市オリンピック・パラリンピック推進課の担当者は「不愉快な思いをさせてしまったのであれば申し訳なく思う。今後、何らかの形で遺族らの意見を丁寧に聞き取る機会を得たい」と話した。(曽田晋太郎)
 

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