<新型コロナ>ワクチン供給、河野太郎担当相に聞く 「売り切れはない。待ってほしい」

2021年4月12日 21時01分

新型コロナウイルスワクチンの供給見通しについて話す河野太郎行政改革担当相

 海外と比べ、遅れが指摘される新型コロナウイルスのワクチン接種。65歳以上の高齢者への接種が12日に始まったが、ワクチン供給が本格化するのはゴールデンウイーク明けの見通し。ワクチンの輸送や保管などを担当する河野太郎行政改革担当相に、ワクチン輸入を巡る欧州連合(EU)との交渉状況や供給スケジュールなどを聞いた。(藤川大樹、井上峻輔)

◆空輸のたびに承認が必要

 国内で現在、承認済みの新型コロナワクチンは米ファイザー製だけだ。政府は同社と、欧州で製造したものを輸入する契約を結んでいる。5月は毎週9188箱(約896万回分=1瓶5回接種で計算)が届き、6月は5月を上回る量が届く契約だとする。
 河野氏は「5、6月の輸入量は確定した。ファイザーと合意した」と明かした。ただし、計画通りに輸入するには、EUの承認が必要となる。空輸するたびに、承認を取らなければならない。
 複数の関係者から「日本向けは心配ないですよ」と言われたという。だが、EU側に対し、承認免除や、空輸のたびではなく一括承認を求めると、「その都度、取ってください」と応じてもらえない。
 輸入が始まった2月以降、承認を拒否されたことはない。だが、5、6月は各十数回の承認が必要になる見込みで、今後も必ず承認される保証はない。

◆「安全性確認するのがポリシー」

 計画では、5月10~23日の2週間で1万6000箱(同1560万回分)程度を全国の市区町村に届け、6月中には高齢者3600万人分全てを届ける想定だ。1瓶当たり6回接種できる注射器については、河野氏は「5月中に切り替えられると思う」と話した。
 接種が進むイスラエルや英国、米国などの先進国と比べ、国内のワクチン供給スピードは遅いが、なぜか。大きな理由の一つが、欧州にあるファイザー製ワクチン工場の生産能力の不足だ。能力を拡張する際、一時的に生産量が減ったという。「春先に生産が立ち上がったところで、供給を前倒すよう一生懸命交渉してきた」
 また、日本人への臨床試験(治験)に時間を要したことについて、河野氏は「厚生労働省はこれまで、国内治験で日本人の安全性を確認するというポリシーでやってきた。それをどう判断するかということ。国内治験をやらずに問題が起きれば、逆に批判される」と説明した。

◆スエズ運河座礁のトラブルも

 河野氏が、菅義偉首相からワクチンの輸送や管理などを任されたのは1月18日。国会では「『令和の運び屋』と言われるよう頑張る」と答弁した。
 ワクチンの接種実務は各省庁にまたがり、予想外のトラブルも起きている。超低温冷凍庫の輸送船が、スエズ運河のコンテナ船座礁事故で足止めされ、日本への到着が遅れた。
 現状では、高齢者用ワクチンの供給量が少なく、予約が殺到して混乱した自治体もあった。「接種に時間がかかることはあるが、コンサートのチケットと違って売り切れることはない。きっちり届けるので順番を待って、打っていただきたい」と呼び掛けた。

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