イランのウラン濃縮施設で電気系統破壊 イスラエルの関与を示唆 

2021年4月12日 20時43分

イラン中部ナタンズのウラン濃縮施設の遠心分離機=2019年11月、イラン原子力庁提供、AP・共同

 【カイロ=蜘手美鶴】イラン政府は12日、中部ナタンズのウラン濃縮施設で11日に電気系統が破壊されるなどの「テロ行為」があり、ウラン濃縮に使う遠心分離機が被害を受けたと発表した。イランはイスラエルの関与を示唆しており、核合意を巡る米国とイランの間接協議に影響が出る恐れがある。ロイター通信などが伝えた。
 イラン外務省報道官によると、地下にある濃縮ウラン製造工場の1つで停電が発生。被害状況の詳細は不明だが、死傷者や放射能漏えいはないという。米紙ニューヨーク・タイムズによると、大規模爆発が起き、遠心分離機の電源が破損したとの情報がある。
 原子力庁のサレヒ長官は11日、国営テレビで「卑劣な行為を非難する。国際社会と国際原子力機関(IAEA)は、今回の核テロリズムに対応する必要がある」と述べた。イランメディアは、犯人が特定され、今後は「逮捕手続きがとられる」としている。
 ザリフ外相は12日、「シオニスト(イスラエル)が、米制裁解除に向けた動きに報復している」と述べ、イスラエルの関与に言及。イスラエルメディアは情報当局の話として、イスラエルの対外特務機関モサドによる作戦で、イランのウラン濃縮活動の妨害が目的だったとしている。
 一方、発生時にイスラエルを訪問していたオースティン米国防長官は11日、ツイッターで「イランの脅威に対してイスラエルと緊密な協議を続け、イスラエルの安全保障を強化する」と述べた。
 ナタンズの核複合施設は、イランが行うウラン濃縮活動の中心施設で、昨年7月にも同施設の遠心分離機組立工場で火災が起き、イランは何者かの「破壊工作」と断定。その際もイスラエルの関与がささやかれていた。今月10日には、新たな遠心分離機の稼働テストを始めたばかりだった。

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