高齢者用ワクチン「お盆までに打ち終えたい」…見えぬ接種完了時期 全国民に行きわたるのはいつ?

2021年4月13日 06時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京など3都府県に「まん延防止等重点措置」の適用が拡大された12日、各地では65歳以上の高齢者へのワクチン接種が各地で始まり、1139人が受けた。菅義偉首相は6月末までに2回分のワクチンを用意すると説明するが、政府が終わらせるのはワクチンの確保まで。自治体による接種実務はその後で、高齢者が打ち終わる時期は、政府内には「お盆までに」との声も上がる。16歳以上の全国民に行き渡るのがいつになるのかは、さらに不明確だ。(生島章弘、山口哲人)
【関連記事】予約が必要と知らずに来た人も…高齢者ワクチン接種開始

◆接種計画や会場確保…実務は自治体任せ

 首相は12日の自民党役員会で、ワクチンに関して「5月23日までに約半数の高齢者が1回目の接種ができる量、6月末には全ての高齢者が2回接種できる量を各自治体に届ける予定だ」と語った。

 これに先立ち、首相は東京都八王子市で高齢者の接種会場を視察。自治体との連携に関して「スムーズに接種できるよう、意思疎通を図りながら進めたい」と記者団に話した。
 対象者内の優先順位付けを含む具体的な接種計画の策定や実施のほか、会場の確保といった実務全般は自治体に委ねられているが、実際に接種を行う医師の不足などが指摘される。そのため、政府は新型コロナ対策の決め手にワクチンを位置付けながらも、今後の段取りは明言を避けている。

◆医療従事者の接種完了時期すら示されず

 官邸幹部は「お盆までには打ち終えたい」と、3600万人の高齢者だけでも4カ月ほどかかる可能性に言及。首相は12日の衆院決算行政監視委員会で、高齢者への接種時期に関して「地方自治体にお願いしているので、状況を見ている」と明確な答弁を避けた。
 そもそも政府は、高齢者よりも先行する医療従事者らですら接種完了時期を示していない。
 国の方針では、これから基礎疾患のある人や高齢者施設の職員、続いて16歳以上の国民と接種対象を広げるが、現段階では開始時期のめども立たない。立憲民主党の江田憲司氏は「国民の関心はいつから受けられるのかだ。見通しが何もない中では不安でたまらない」と批判した。

◆国産ワクチン世界に遅れ

 懸念の声は与党からも漏れる。公明党の伊佐進一氏は「政府のコロナ対策を合格点だとは言えない。圧倒的に世界に劣後したのは国産ワクチンだ」と指摘し、海外依存からの脱却を主張。田村憲久厚生労働相は「国も(国内メーカーを)しっかり支援してこなかった反省もある」と述べた。

関連キーワード

PR情報

新型コロナの新着

記事一覧