東海第二 事前了解対象 6首長が対策工事視察 「事故シナリオ」提示求める

2021年4月13日 07時41分

常設代替高圧電源装置置き場の掘削現場を視察する首長たち(前列中央)=東海村で

 東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の三十キロ圏で再稼働の際に事前了解を取る対象の六市村の首長が十二日、再稼働に向けて進められている事故対策工事の現場を視察した。また、避難計画など防災対策が不十分として、水戸地裁が三月に東海第二の運転差し止めを原電に命じた判決を受け、首長側から原電に対し「事故想定のシナリオを示してほしい」と注文が出た。 (松村真一郎)
 六市村は水戸、那珂、日立、常陸太田、ひたちなかの五市と東海村で、首長が同時に原発内を視察するのは初めて。視察は当初、今年二月に予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大による県独自の緊急事態宣言が出されていたことから、二カ月ほど遅れた。
 事故対策工事は二〇二二年十二月に完了予定としている。
 首長らは、事故時に原子炉などを冷やすための予備の冷却水を蓄える「淡水貯槽」や建屋内のケーブルを難燃性に交換する工事など六カ所を視察。そのうち、非常用電源設備の一つである「常設代替高圧電源装置」置き場と防潮堤の二カ所が報道陣に公開された。
 代替電源装置置き場では、地下部分の掘削現場を訪れた。首長側からは「地上には何を設置するのか」といった質問が上がり、原電側は「地上には高圧電源車を置く」と回答した。
 最高二十メートルの防潮堤新設工事は、敷地をコの字形に囲むように鋼管杭約六百本を打ち込む予定で、十二日時点で六十四本設置。原電側は「一週間で七本ほど打ち込んでいる」とした。
 首長側の「このペースでは(来年十二月の)予定までに終わらないのではないか」との問いに、「数社のゼネコンが分担して施工し、これからスピードアップする予定だ」と返した。
 視察後に、首長たちは原電と非公開で協議。協議後の取材で、東海村の山田修村長は「(首長側から)避難計画の必要性を議会や住民に説明するために、どういう事故が起きてどの段階で避難するのかというイメージを出してほしいといった意見が出た」と明らかにした。各首長の意見も聞き、原電に正式に要請するか検討するという。
 原電の村部良和東海事業本部長は「事業者として役割を果たせる部分は果たしていきたい」と応じた。

関連キーワード

PR情報

茨城の新着

記事一覧