江戸城最古の石垣発見 400年前の技術垣間見える 専門家「全国でも希少で重要」

2021年4月14日 06時00分
皇居・三の丸尚蔵館近くで発見された江戸時代初期のものとみられる石垣=13日、東京都千代田区で

皇居・三の丸尚蔵館近くで発見された江戸時代初期のものとみられる石垣=13日、東京都千代田区で

 東京都千代田区は13日、皇室ゆかりの美術品などを所蔵・展示する皇居・東御苑の「三の丸尚蔵館」の建て替え工事現場から、約400年前の江戸時代初期に築かれたとみられる石垣が見つかったと発表した。徳川氏が整備した江戸城の石垣では最古級の遺構で、当時の技術を伝えるとともに「かつて入り江だった現地周辺の水辺環境の解明につながる可能性もある」と専門家はみている。(井上靖史、阿部博行)
 遺構は昨年11月下旬に工事現場の地中から出土した。確認された範囲では、南北に長さ約16メートルで、石が7段に積まれ、高さ約4メートル。石をある程度平らに加工する「打ち込みハギ」の技法が採用され、積み方は不規則な「乱積み」に当たり、大小の石を積んだ隙間に川原石のような石材を詰めるなどしている。江戸城の石垣は伊豆半島産の安山岩が知られるが、今回の遺構は利根川水系のものとみられる石材が含まれている。
 石垣の表面に当時の水流によって付いたとみられる帯状の白い線があり、堀と接していたらしい。下方の4~5段は常時、水中にあり、水面に対して深い構造だったと推定される。
 江戸時代の慶長期や寛永期の絵図と土砂の堆積層の分析から、1610~20年代にかけて造築され、20年ほどで埋められたと考えられる。専門家らのヒアリングでは「この時代の石垣は構造的に弱いなどの理由から積み直されるケースが多い。当時の状態のまま見られる例は全国的にも少なく、かなり重要」との意見が寄せられた。
 宮内庁と区によると、遺構は崩壊の恐れがあり、詳細な調査を進めた後で、現状保存のため埋め戻す方針という。
 城郭に詳しい江戸東京博物館の斎藤慎一学芸員の話 
 江戸城における打ち込みハギの原型が分かる貴重な発見だと思う。特に関心が向くのは、わざわざ地中を5~6メートル掘って丸太を据え、その上に石を4段ほど敷き詰めて埋め戻し、その上に石垣を積んでいる工法。当時では変わった手法で、軟弱地盤対策と考えられる。大手門周辺は江戸初期まで平川という川が注ぐ日比谷入り江の河口付近だったと考えられ、どのあたりまで水辺だったか推定することにつながるのではないか。

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