個人情報漏えいや流用の懸念を野党が追及 首相は「十分配慮」 デジタル法案、参院で審議入り

2021年4月14日 19時10分

参院本会議で答弁する菅首相

 デジタル庁設置や個人情報保護法改正を含むデジタル改革関連法案が14日、参院本会議で審議入りした。個人情報の漏えいや目的外利用の懸念に関し、菅義偉首相は「データ利活用の重要性は踏まえつつ、個人の権利や情報の保護にも十分配慮している」と強調。野党側は、個人情報の一元管理によって流用される不安が消えないなどと問題点を追及した。

◆「個人より国や企業優先」

 個人情報保護法改正案は、民間や行政機関、地方自治体でばらばらだった個人情報保護制度を一元化し、情報のやりとりを容易にする内容。立憲民主党の杉尾秀哉氏は「政府案は国や企業によるデータの利活用推進に偏り、個人の権利利益の保護の観点が欠如している」と指摘。共産党の田村智子氏も「本人同意なき利活用の推進は、個人情報保護を大きく後退させないか」とただした。
 首相は「個人情報の一元管理を図るものではなく、国や自治体がそれぞれ個人情報を保有することを前提に、システムやルールを標準化・共通化し、データも利活用しようとするものだ」と説明した。

参院本会議で平井担当相の答弁を巡る与党の議運委理事らの対応に野党の理事ら反発し、議場が一時騒然となる

 行政機関が個人情報を目的外に利用、提供できる要件が「相当の理由」などと曖昧なことについて、平井卓也デジタル改革担当相は「個人の権利利益の保護の必要性を、個人情報の有用性が上回ると考える場合に限り認められる。決して無限定な利用や提供を認めるものではない」と述べた。

◆自治体ごとの個人情報保護制度は?

 自治体が独自に発展させてきた個人情報保護制度が一元化によって後退するという指摘に対しても、平井氏は「個人情報保護の全国的な最低水準が保障される」と答弁。改正後も法律の範囲内ならば、条例で独自の保護措置を講じることが認められるとして「自治権を侵害するものではない」と主張した。

参院本会議を終えて席を立つ菅首相(右)と平井デジタル改革担当相

 関連法案は63本を束ねた5法案。参院では別の法案審議が立て込んでいるため、成立は5月にずれ込む見通し。 (井上峻輔)

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