質問4時間、あいまい答弁に終始…東京電力・小早川社長、テロ対策不備巡る不祥事謝罪

2021年4月14日 20時18分

新潟県議会に出席後、取材に応じる東電の小早川智明社長(中央)ら=14日午後、新潟市

 柏崎刈羽原発の事実上の運転禁止命令が出された14日、東京電力の小早川智明社長は原発が立地する新潟県の県議会に参考人として出席した。県議13人からの質問は4時間にわたったが、「調査中」と説明を避ける場面が多く、あいまいな答弁に終始した。(小野沢健太)

◆事実関係説明せず

 「原子力事業を存続できるか、大きな危機感を持っている。うみを出し切りつくりかえなければならない」。午後1時すぎ、議場の答弁席に立った小早川氏は、テロ対策設備の不備を巡る不祥事を3秒間頭を下げて謝罪してから、そう言葉を続けた。
 質疑では、故障した侵入検知装置の代わりの対策が不十分なまま、放置されていた原因追及が相次いだ。
 しかし、小早川氏は用意した文章を読み上げ、「原子力規制委員会に報告するため、原因究明を進めている」として事実関係の説明をしなかった。社長自身が故障を認識していたのかについては、「経営層まで報告する仕組みになっていなかった」と釈明した。

◆早期再稼働、幻に

 福島第1原発の事故収束や被災者への賠償費用を捻出したい東電にとって、柏崎刈羽の再稼働は最重要課題。世界最悪レベルの事故を起こしながら、巨額を投じて6、7号機は再稼働に必要な新規制基準に適合した。1基の稼働で年間約1000億円のコスト削減を見込むも、運転禁止命令で早期再稼働は幻となった。
 県議らからも「再稼働を議論できる状況ではない」との発言が続き、小山芳元県議(未来にいがた)が「原発を運転する資格はあると考えているのか。撤退するべきではないか」と迫る場面も。小早川氏が「原因究明と再発防止に取り組むのが責務」とかわすと、小山県議は「質問に答えず空虚に感じる」と批判した。
 参考人招致は最大会派の自民党が提案し実現。県議会は3月25日に、政府と国会に対し「東電に原発を運転する資格があるのか」を再審査するよう求める意見書を全会一致で可決している。

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