緊急事態宣言になぜ慎重? 言及避ける政府、専門家からは発令要望も<新型コロナ>

2021年4月16日 06時00分
参院本会議で答弁する菅首相

参院本会議で答弁する菅首相

 新型コロナウイルス変異株の感染者が急増する中、政府は緊急事態宣言の発令に慎重で、まん延防止等重点措置を各地域に適用することで乗り切る構えだ。経済悪化の懸念に加え、再発令すれば、約1カ月前の宣言解除を判断ミスだと認めることになるためだ。政治的な思惑含みの判断は、さらなる状況の悪化を招きかねない。
 加藤勝信官房長官は15日の記者会見で、厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」のメンバーが、過去最多の感染者数を更新している大阪府への緊急事態宣言再発令を求めたことについて「政府としてコメントは差し控えたい」と言及を避けた。政府高官は「宣言になれば、急に効果が出るというものではない。大事なのは、飲食店の営業時間短縮要請など必要な措置をやることだ」と強調する。
 政府は緊急事態宣言が、さらに景気回復の足を引っ張りかねないと懸念。当面は対象が一部地域に限られるまん延防止等重点措置で感染者を抑え、対策の決め手と位置付けるワクチン接種を進める考えだ。
 感染拡大の「第4波」入りを否定する菅義偉首相に対し、野党は「現実を直視しようとしない」(共産党の志位和夫委員長)と批判を強める。立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に「地域によっては緊急事態宣言に相当するような(指標の)伸びだ。なぜこの時点でまん延防止等重点措置なのか」と語り、神奈川など4県への重点措置の適用拡大を疑問視した。(生島章弘、井上峻輔)

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