消火設備誤作動でCO2中毒か マンション地下駐車場で作業員4人死亡、1人重体 東京・新宿

2021年4月15日 22時24分

作業員が一時閉じ込められたマンションの、地下駐車場の入口付近を調べる消防隊員ら=15日、東京都新宿区で

 15日午後5時ごろ、東京都新宿区のマンション地下駐車場で「消火設備を誤作動させてしまい、男性作業員5人が閉じ込められた」と110番があった。警視庁戸塚署によると、20~50代とみられる男性作業員5人が救助されたが、4人の死亡が確認され、1人は意識不明の重体。警視庁は、消火設備から放出された二酸化炭素(CO2)により死傷した可能性があるとみて、業務上過失致死傷容疑も視野に、詳しい状況を調べている。(奥村圭吾、天田優里)

 ◆シャッター下り閉じ込め

 署によると、5人とは別に30代の男性作業員1人が自力で脱出し、無事だった。現場では同日午前9時すぎから、男性作業員7人が駐車場の天井の張り替え作業をしていた。
 事故当時は地下1階に6人がいて、誰かが消火設備を誤作動させたためCO2が漏れ出し、駐車場入り口のシャッターが下りて、閉じ込められたとみられる。
 東京消防庁によると、消防隊員が計測した場内の二酸化炭素濃度は21%で、通常の数百倍だった。
脱出した男性が地上にいた工事責任者の男性に連絡し、通報した。現場はJR高田馬場駅から北西に約700メートルの住宅街。
 消火設備は火災現場で酸素濃度を低下させ、燃焼を防ぐ。同様の設備を巡る事故は各地で相次いでおり、今年1月には港区西新橋1のオフィスビルで、作業員が点検中だった消火設備を誤作動させ、男性作業員2人が死亡。名古屋市中区のホテルでも昨年12月、男性作業員1人が死亡、従業員ら10人が搬送された。

 ◆マンションの住民ら騒然

 「駐車場で作業があるとは知っていたが、まさかこんなことになるなんて」。事故現場のマンション周辺の閑静な住宅街には、消防車やパトカーのサイレンが鳴り響き、住民らが不安そうに救出作業を見守った。
 住民によると、駐車場は地上1階で操作して地下の車を出し入れする仕組み。作業は15、16両日に予定され、地下の駐車場部分の天井のボードを新しいボードに張り替える作業が行われていた。作業中も駐車場の利用は可能だったという。
 現場周辺には規制線が張られ、消防隊員や警察官が慌ただしく出入りした。マンションに住む60代の男性は「マンションでは工事や点検を定期的にやっていて、これまで大きなトラブルはなかったのに」と顔をこわばらせた。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧