東日本大震災 浮かぶ現地の課題 発生から10年、台東の三舩康道さんが本出版

2021年4月16日 06時41分

著書「東日本大震災(上)」を手にする三舩康道さん=台東区で

 台東区在住の防災まちづくりコンサルタント、三舩(みふね)康道さん(71)=東上野=が、「東日本大震災(上)−被害状況と復興計画の検証−」(近代消防社、1100円・税別)を著した。大震災発生から10年で浮かび上がった現地の課題を記載。各自治体の復興計画が一体性に欠けた点など、今後の災害時に教訓とすべき点を示している。 (井上幸一)
 盛岡市出身の三舩さんは、東大大学院修了の工学博士で、建築関係のコンサルティング会社を経営。大震災発生から約一週間後に被災地を訪れた。その後、専門家として大船渡市の復興街づくりに尽力。震災五年後からは毎年、岩手県から福島県まで太平洋岸を縦断し、復興状況を確認し続けている。
 著書は、月刊誌「近代消防」などへの寄稿をまとめた。三舩さんはポイントの一つとして、宮城県南部地域の復興計画を検証した部分を挙げる。計画を市や町が独自に策定したため足並みがそろわないケースがあるとし、境界部分でかさ上げ道路がつながらないなど、津波対策に不安を残す部分もあることを指摘した。
 そして、一体性ある計画策定のために必要なことを列挙。国、県が早期に復興計画を立てて指針を示すことや、計画は必要に応じて修正版を作成することなどを挙げている。
 このほか、二〇〇四年のスマトラ沖地震の津波で七万人以上の死者・行方不明者を出したインドネシア・バンダアチェ市の復興計画との比較も。東日本の被災地は、将来人口予測の議論が聞こえてこない点などを懸念した。
 下巻は十月ごろに出版予定。今夏に被災地を訪れ、十年たっての復興状況などをまとめる予定という。

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