<新型コロナ>ワクチン接種どう運用 会場、移動にバスやタクシー 事業者がサービス自治体は補助

2021年4月16日 07時04分

ワクチン接種会場として活用を想定する観光バスの車内(国際興業提供)

 新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種がさいたま市を皮切りに県内でも始まり、これから本格化していく中で課題となるのが接種会場や移動手段の確保だ。コロナ禍で打撃を受けた交通事業者が観光バスの活用を提案したり、自治体がバスやタクシーの運賃を助成したりする動きが出ている。 (近藤統義)
 バス事業を展開する「国際興業」(東京)は、接種業務用に観光バスを有償で提供するサービスを始めた。高齢者が自ら出向く必要のない「出張接種」の会場として、営業エリアの埼玉、東京の市区町村に採用を呼び掛けている。
 車内には抗菌・抗ウイルス加工を施し、空気清浄器を設置。座席の向きを変えることで接種に必要なスペースを確保した。接種後に副反応がないか経過観察する待機場所としての用途も想定している。
 さらに、バスのトランクに医療機器を積んで医療従事者を指定の接種会場に輸送したり、案内の役割にたけたバスガイドを会場の誘導スタッフとして派遣したりすることも可能という。
 同社は昨年度の観光バス需要が前年度の十分の一に激減した。ワクチンの接種スケジュールが確定しないこともあり、今回の提案に対する反応はまだ少ないが、「社会貢献と売り上げにつながれば」と期待する。
 一方、接種会場までの高齢者の足をサポートする自治体もある。杉戸町は、集団接種会場になっている公共施設二カ所をルートに含むコミュニティバスの一日乗車引換券二枚を、接種券とともに対象の約一万五千人に発送する。

杉戸町がワクチン接種の高齢者に配るバスの乗車引換券(町提供)

 引換券を降車時に乗務員に渡すと一日乗車券と交換でき、通常は一回二百円の運賃が無料に。接種の実施日に合わせ、本来は運休している祝日の一部も臨時で運行する。
 上里町は集団接種会場へのタクシー代を補助する。タクシー事業者と協定を結んで仕組みを整えて、二回分の接種の往復で毎回の初乗り運賃が無料になるチケットを希望者に発行する。
 春日部市もタクシー乗車に使える市内共通商品券を、高齢者に二千円分ずつ配る。各市町の担当者は「慣れない会場に足を運ぶことになる高齢者もおり、その負担を軽くしたい」としている。

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