<新・笑門来福 春野恵子>緊張のコントロール

2021年4月16日 07時27分

大阪・天満天神繁昌亭の番組紹介。昼席と夜席、両方に出演させていただき、1日に3枚もの名札が飾られたという珍事?

 相変わらず各種興行は打ちにくい状況が続いているが、ありがたいことに寄席は開いている。先月は神戸・新開地にある喜楽館、そして大阪天満宮に隣接する天満天神繁昌亭に、一週間ずつ出演させていただいた。
 客席はやはり半分しか入れることができない。そこで天満天神繁昌亭では、等身大の人物の写真パネルを座席に置いている。これで、舞台から客席を見たときに、たとえ半数しか入っていなくても満席になっているように見えるのだ。舞台に立つものとしてはうれしい工夫である。
 ただ、浪曲を語っているときにふと、リアルのお客さまの隣にある大御所の師匠方(例えば笑福亭鶴瓶師匠)の笑顔と目が合ったりして、「わわっ!」とビックリすることもある。一瞬にして心拍数がぶわっと上がる。いやいやこれは写真だ、と気付くまでに〇・三秒くらいかかったりする。こんなことも早いこと「遠い日の思い出」になってほしいものだ。
 また先日は、久しぶりに映画の撮影に参加させていただいた。演技という意味では、舞台も映画も変わらないはず。ましてや、生放送ではないのだから大丈夫とも思うのだが、やはり慣れない現場というのは緊張するもの。いったいどうなることやらと内心ドキドキ。
 さらに日を置かずに、今度は関西の放送局で四月からスタートした新番組のスタジオゲストとして出演させていただくこととなった。こちらは生放送。最近はもっぱら収録番組への出演が多かったので、久しぶりの生放送ということで緊張するのではないかと、これまた内心ヤキモキ。
 しかし、実際に本番を迎えてみると、このいずれも、へんな緊張をすることもなく、無事にお仕事をさせていただけた。肩の力を抜いて、いつもの自分のままでいられたことに、自分でも驚くほどだった。
 緊張のコントロールというものも、経験を重ねるうちに上手(うま)くなっていくのだな。うーむ、歳を重ねて鈍感力を身につけたせいもあるのか(笑)? いや、あえて自分を慣れない場所に放り込んでみて、そこで生まれる新たな緊張感にどう対処していくか、そうした実践を積んできた成果でもあろう。これからもちょっと怖いと思うことにも立ち向かっていく勇気を持ち続けたいと、改めて思う。
 ※春野恵子さんの「新笑門来福」は今回で終わります。

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