「まん延防止等重点措置」3週連続で決定 緊急事態宣言並みの強い措置とは

2021年4月17日 06時00分
 政府は16日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の対象に首都圏3県と愛知県を追加することを決めた。5日から大阪など3府県、12日から東京など3都府県に適用しており、3週連続の決定。重点措置の連発により、経済への影響が大きい緊急事態宣言の発令を避けたい政府の姿勢が鮮明になったが、与党からも効果を疑問視する声が上がり始めている。(清水俊介)

◆「感染拡大を後追い」

 自民党の世耕弘成参院幹事長は16日の記者会見で「飲食店の時短だけでは感染を止められなくなっているのではないか」と指摘。立憲民主党の高木錬太郎衆院議員は、政府から重点措置の報告を受けた衆院議院運営委員会で「重点措置は感染拡大の芽を摘むのが目的だったはず。実際には芽を摘めず、拡大を後追いしている」と批判した。
 議運委に先立つ専門家らの基本的対処方針分科会では、大阪府に接する奈良県、感染が急拡大する福岡県への適用見送りを疑問視する声が噴出。複数の出席者から緊急事態宣言を発令すべきだとの意見も出た。
 政府関係者は「知事から求められれば、重点措置をどんどん適用すればいい」と話し、来週以降も両県を含め対象地域を広げていく可能性に言及した。

◆宣言並みの強い措置

 政府は今年1~3月の緊急事態宣言中、飲食店の営業時間の短縮要請を「感染防止の急所」(菅義偉首相)として対策を実施。同時並行で、宣言がなくても時短を要請できるようにするため、重点措置を新設する改正特別措置法を成立させ「宣言並みの強い措置」(首相)と位置付けた。
 背景には、対策の範囲を限定して経済への影響を抑えたいという政府の思惑がある。第1波に対応した昨年4~5月の緊急事態宣言では、飲食店だけでなく、百貨店や映画館、遊園地など幅広い施設に時短や休業を要請。人と人との接触機会の「最低7割、極力8割」削減を目指し、県境をまたいだ移動の自粛などを求めた。発令前から実施した小中高校などの一斉休校と合わせ、強い措置だった。
 自民党幹部は「時短要請は重点措置で同じことができるから緊急事態宣言は出さないだろう」と指摘。発令するのは、重点措置では抑えきれず、第1波並みの対策が必要な場合になるとの見方を示した。

◆「人流止めないと駄目」

 だが、変異株の猛威もあって感染の勢いは止まらず、時短で歯止めがかかるかは見通せない。首相は専門家が第4波入りとの認識を示しても「全国的な大きなうねりとまではなっていない」と否定。西村康稔経済再生担当相は16日の議運委で、最初に重点措置を適用した府県に関し「大阪は感染者の伸びが若干鈍化し、宮城は先行して感染者が減少傾向」としたが、分科会メンバーの釜萢敏・日本医師会常任理事は「宣言を出し、最大限の対策を講じることが必要」と訴える。
 大阪では、宣言発令の目安とされる「ステージ4(感染爆発)相当」の指標が並ぶ。東京の直近1週間の新規感染者数は平均542人。1月の宣言の際、解除の基準とされた500人を超え、小池百合子都知事は「東京に来ないで」と呼びかけるなど移動制限の強化に言及した。
 自民党の閣僚経験者は言う。「変異株は若者にも感染するから、例えば学校を休校にするなど、もう人流を止めないと駄目だ」

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