<記者だより>興味そそる議論を

2019年9月29日 02時00分
 耳が聞こえにくい人にも市議会の論戦を傍聴してもらおうと、川崎市議会の委員会室に、マイクで拾った音声を補聴器で聞こえやすくする補助設備が新たに導入された。議場には音声を自動認識して文字で表示するモニターもある。こうした取り組み自体は結構だと思うが、議会に足を運びたくなる議論が交わされているとは思えない。
 記者がこう考える理由の一つに、市議の質問に対する市側の答弁を双方で事前調整していることがある。議場は用意された原稿の「朗読会」になりがちで、壇上で目線を落としたまま早口で質問をまくしたてる市議も多い。市幹部の答弁もほぼ紋切り型で、施策への熱意が伝わってこない。
 事前調整の理由は、主に議会運営の円滑化だろう。「調整によって中身のある答弁を引き出せる」と意義を強調する市議も多いが、「答弁を読み飛ばした」と議場で指摘した市議を見た時には、強い違和感があった。新たな機器の導入を機に、傍聴者の興味をそそる議論のあり方も考えてほしい。 (大平樹)

関連キーワード

PR情報

神奈川の最新ニュース

記事一覧