華麗な装飾、多彩な技法 オールドノリタケ展 きょう開幕 笠間の県陶芸美術館

2021年4月17日 07時44分

内覧会で自身のコレクションを鑑賞する若林経子さん=笠間市で

 多くの人を魅了し続けるアンティーク陶磁器「オールドノリタケ」の企画展「オールドノリタケ×若林コレクション アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン」(東京新聞主催)が十七日、笠間市笠間の県陶芸美術館で開幕する。国内屈指のコレクター若林経子(つねこ)さん(81)=大阪府枚方市在住=が所蔵する花瓶など二百五十二点を展示する。オールドノリタケの世界を知る貴重な機会になりそうだ。 (佐藤圭)

■過去最大規模

 オールドノリタケは、名古屋市に本社を置く世界的な食器メーカー「ノリタケカンパニーリミテド」の前身「日本陶器」と貿易商社「森村組」(現森村商事)が、明治中期から第二次世界大戦期にかけて主に米国輸出向けに製造した西洋風陶磁器の総称。当時の欧米のニーズや流行を取り入れ、芸術的な絵付けと繊細な細工で人気を博した。
 長らく忘れられた存在だったが、米国で一九七〇年代に骨董(こっとう)的価値が見いだされた。日本では九〇年代以降、若林さんら収集家の展示・普及活動を背景に、再評価の機運が高まった。
 若林さんは名古屋市生まれ。戦後の物不足の中、一家が物々交換で手に入れたティーセットが、のちにオールドノリタケと判明。こうした個人的な体験などを通じて魅力に取りつかれた。今回は、若林コレクションの展覧会としては過去最大規模となる。

■盛上と金盛

色絵金盛薔薇文飾壺(1891〜1921年ごろ)

 企画展は四章で構成。第一章「モチーフ」では、動植物や風景など多彩な絵柄が楽しめる。第二章「スタイル」では、優美な曲線が特徴のアールヌーボー様式や、直線や幾何学模様を多用したアールデコ様式を反映した作品が並ぶ。
 第三章「テクニック」では装飾技法に焦点を当てる。表面を粘土で立体的に表現する「盛上(もりあげ)」、その盛上に金彩を施す「金盛(きんもり)」は、オールドノリタケの独自性が際立つ。第四章「ファンクション」では機能面に着目し、野菜スティック用の容器やトーストスタンドなどの珍品も集めた。若林コレクション第一号のティーセットも披露される。

■先人の苦労

色絵ラスター金彩格子文化粧品入・香水瓶(1920〜31年ごろ)=いずれも若林コレクション

 十六日は開会式と内覧会が開かれ、若林さんや小泉元伸県教育長ら関係者約七十人が出席した。
 内覧会で自身のコレクションを鑑賞した若林さんは「日本にはものづくりの長い歴史があり、その一つがオールドノリタケ。先人たちの苦労を知ってほしい」と語った。
 担当した芦刈歩(あゆみ)学芸員は「豪華な装飾品だけでなく、アールデコ風の小品はポップでかわいい。若林コレクションの多様性を感じ取ってほしい」と来場を呼び掛けている。
 会期は六月二十七日まで。月曜休館(五月三日は開館、同月六日休館)。観覧料は一般八百四十円、七十歳以上四百二十円、高校・大学生六百三十円、小中学生三百二十円。
 六月十二日は午前十時と午後二時の二回、転写紙で白磁に模様を付けるワークショップがある。五月八日と六月十九日の午後一時半からは学芸員によるギャラリートークもある。ワークショップは参加費千円、ギャラリートークは無料。
 問い合わせは陶芸美術館=電0296(70)0011=へ。

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