東京五輪「新型コロナに打ち勝った証し」の表現消えた…バイデン氏からは開催の直接支持なし

2021年4月17日 11時21分
会談後、共同記者会見に向かうバイデン米大統領(右)と菅首相=16日、ワシントンのホワイトハウス(AP)

会談後、共同記者会見に向かうバイデン米大統領(右)と菅首相=16日、ワシントンのホワイトハウス(AP)

 【ワシントン=金杉貴雄】菅義偉首相は日米首脳会談後の共同記者会見で、東京五輪・パラリンピックについて「世界の団結の象徴として開催を実現する決意を会談で伝えた」と明かした。一方のバイデン大統領からは「決意に対する支持」はあったものの開催自体を直接支持する発言は得られなかった。首相の説明からは「人類が新型コロナに打ち勝った証し」とした従来の表現が消え、米側記者から「開催は無責任」と厳しい質問が飛んだ。
 米国は五輪に世界最大規模の選手団を送り、大企業のスポンサーも抱えるなど大きな影響力を持つ。日本は新型コロナウイルスの感染が国内で再び拡大し、ワクチン接種も先進7カ国(G7)の中で最も遅れている。開催に突き進む首相は開幕まで100日を切った段階での今回の会談で米大統領から明確な「お墨付き」を得たかったが、期待通りにはいかなかった。
 バイデン氏は以前から「安全に開催できるか科学に基づき判断すべきだ」との姿勢を崩しておらず、日本国内での感染状況を注視しているとみられる。
 首相はこの日の記者会見で、五輪開催の意義としてこれまで何度も繰り返してきた「人類がコロナに打ち勝った証し」との説明をしなかった。海外からの観客受け入れを断念し「何のための開催か」と疑問の声が国民から上がる中、理由付けに苦しんでいるように映る。
 米側記者は「公衆衛生の専門家が日本は準備ができていないと指摘する中、開催に突き進むのは無責任ではないか」と質問したが、首相は答えなかった。

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