お待たせしました、江川酒 「300年前の味」清酒500本

2021年4月18日 07時25分

完成した江川酒を試飲する人たち=いずれも伊豆の国市で

 戦国〜江戸時代に、韮山代官も務めた江川家が手掛け、約三百年前に製造が途絶えた「江川酒」を、当時の製法書を基に復刻した製品が完成した。関係者向けの試飲会が、伊豆の国市の江川邸で行われ、百人以上が参加した。
 試飲会は江川邸中庭で十一日に実施。幕末の代官、江川英龍の功績を発信する「江川英龍公を広める会」のメンバーが味わった。酒はこくがありフルーティー。英龍の子孫で江川家四十二代当主の江川洋さん(51)は「三百年以上前の味を復活させてもらい、先祖も喜んでいると思います。この酒を通じ多くの人に伊豆の歴史を知ってもらえればうれしい」と語った。
 江川酒は戦国時代、伊豆を治めた北条氏が進物として活用。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康にも贈られた記録が残り、名酒とされていた。江戸時代に入り、財政難の幕府が年貢米の徴収を強化したため、代官の江川家は手元に酒米を保管できなくなり一六九八年、製造が途絶えた。
 昨年五月、江川邸学芸員で広める会メンバーの橋本敬之さん(68)が、江川邸に江戸時代の製法書があるのを確認。伊豆市の万大醸造に復元を依頼し、江川酒約五百本と焼酎約三十本を造った。
 今回は一般販売はせず、広める会の会員に返礼品として提供。江川酒は現在も入会すれば入手可能だ。問い合わせは同市内の案内所「まちすけ」=電0558(76)0030=へ。 (上田融)

完成した江川酒(左端は焼酎)


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