5分で完売「岳南夜行」 時期未定も 追加開催検討 地域住民に向けた企画も構想中

2021年4月18日 07時25分

線路沿いに広がる工場夜景=いずれも富士市で(岳南電車提供)

 岳南電車(富士市)の新企画のイベント「岳南夜行」が、鉄道ファンらの注目を集めている。深夜から早朝にかけて列車を走らせ、車窓からの工場夜景などを楽しんでもらうもので、5月8日実施分は予約受け付け開始から数分で完売した。新型コロナウイルス禍で地方鉄道の経営が苦しい中、同社は、企画への好反応に手応えを感じており、追加開催も検討している。 (佐野周平)
 同社によると、電車は五月八日の終電後の午後十一時五十分ごろ、吉原駅を出発。普通に走れば終点の岳南江尾駅まで片道約二十分だが、約五時間かけて、両駅間を二往復する。
 途中駅で何回か停車し、駅構内で夜食にそばを食べたり、沿線の工場夜景を撮影したりする時間を設ける。焼きたてパンの朝食の提供も予定されている。
 価格は定員一〜二人のツインシート(十一エリア)を一万二千円、定員一人のシングルシート(八エリア)で八千円で販売した。決して安いとは言えない価格だが、八日朝に同社のネットショップで予約受け付けを始めたところ、五分ほどで全席売り切れた。
 同社は新型コロナ禍で乗客が減少。苦境を打開する一助にしようと、昨秋には、終電後の駅ホームに滞在し、停車している車両内で思い思いに一夜を過ごす「ナイトステイホーム」を開催した。これらの個性的な企画が注目を集め、岳南夜行は本年度の新企画の第一弾だった。
 思わぬ人気ぶりに、同社の担当者は「額も額なので、全くの想定外。地方鉄道ならではの、ちょっと変わった企画への期待感を改めて感じた」。インターネット上では予約できなかったことを嘆く書き込みもあり、時期は未定だが、追加開催を検討している。
 本年度は他にも複数の新企画を構想中で、担当者は「鉄道ファン向けの企画だけでなく、地域住民に岳南電車に親しんでもらえるような企画もやりたい」と語る。

岳南夜行の企画に使われる9000形電車


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