コロナ対策「連絡会議」が菅政権で1度も開かれず…政策決定の過程さらに不透明

2021年4月18日 20時01分
 第2次安倍政権時代に、新型コロナウイルス感染症対策を実質的に決定していたとされる首相、関係閣僚らの「連絡会議」が菅政権では1度も開催されず、廃止状態になっていることが分かった。連絡会議を巡っては、発言を記録するための議事録や議事概要が作成されず、政府の意思決定過程を明確にするよう求める公文書管理法の趣旨に反すると批判を浴びた。菅政権では、政策決定の場面が一段と見えにくい状態になっている。(中根政人)
 連絡会議は当時の安倍晋三首相や菅義偉官房長官、コロナ対策の関係閣僚、安倍氏側近の今井尚哉首相補佐官らが出席し、昨年1月26日から9月11日まで計209回開催された。
 会議の役割について、官邸幹部は「作戦会議」と指摘。安倍氏も昨年3月2日の参院予算委員会で、小中高校などへの一斉休校要請に関し「(連絡会議で)判断を固めていった」と答弁し、重要性を認めていた。
 コロナ対応を巡り、政府は昨年3月10日、行政文書管理のガイドライン(指針)に基づく「歴史的緊急事態」に初めて指定し、後世の検証などに生かすため公文書管理を強化した。
 首相が本部長を務め、方針を最終決定する場の対策本部は議事録・議事概要の作成義務が生じた。だが、連絡会議は、作成義務がない「政策の決定・了解を行わない会議」に分類。出席者や進捗しんちょく状況などを記載した「活動記録」を作れば問題ないとされた。
 実際、政府が立憲民主党に公開した計209回分の活動記録には、出席者名や各府省庁の報告事項などは記載されていたものの、安倍氏や閣僚らの発言は一切書かれていなかった。
 一方、昨年9月16日に発足した菅政権では、菅首相が関係閣僚や府省庁幹部との非公式の会合や打ち合わせを不定期に行い、実質的な政策決定の場になっているとみられる。連絡会議の開催はゼロで、活動記録すら作成されていない。
 コロナ対策を巡る公文書管理問題を追及してきた立民の蓮舫代表代行は「連絡会議について議事概要さえも残していないのは脱法行為に近いが、菅政権ではさらにブラックボックス化している」と指摘。「例えば昨年、コロナの第3波が来ていたのに『Go To キャンペーン』を継続するという判断を一体、どこで行ったのか。そうした政策決定の過程が分からず、検証するすべも残っていない」と話す。

 「歴史的緊急事態」 将来の教訓として公文書管理を徹底することを目的に、公文書管理の担当閣僚が閣議などで了解を得て判断する。指定された場合には、会議の性格に応じて、出席者の議論のやりとりを記載した議事録や議事概要の作成が義務付けられる。東日本大震災で政府の議事録が未作成だった問題を受けて2012年に定められた制度で、新型コロナウイルス感染症への対応に初めて適用された。


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