「歴史的緊急事態」指定にも関わらず…議事録作成義務なし 新型コロナ関連会議が骨抜き 

2021年4月18日 20時02分
 政府は、新型コロナウイルス感染症への対応を「歴史的緊急事態」に指定し、公文書管理を強化するとしてきた。だが、事態に対応すると位置付けた19会議のうち、議事録や議事概要の作成を義務付けたのは4会議のみ。初指定にもかかわらず「歴史的」の枠組みが骨抜きにされ、政府がコロナにどう対応したのかを事後検証するのは困難なのが実態だ。(中根政人)
 歴史的緊急事態の指定に伴い、政府は行政文書の管理に関するガイドラインに基づき、各府省庁に適切な公文書の作成・管理を求めた。ただ、どの会議が歴史的緊急事態に対応する会議に該当するかは各府省庁の判断で決定し、内閣府に報告することとされた。
 内閣府公文書管理課によると、報告があった19会議のうち、議事録や議事概要の作成が義務付けられる「政策の決定・了解を行う会議」とされたのは、新型コロナ感染症対策本部、基本的対処方針等諮問委員会(今月から基本的対処方針分科会に改称)など。
 対策本部に先立ち、政府の対応を事実上決めてきたとされる「連絡会議」や専門家会議(現在は廃止)、分科会など15会議は「政策の決定・了解を行わない会議」に分類され、議事録などの作成は義務付けられなかった。専門家会議や分科会は義務に基づかないものの、議事概要を作成・公開している。
 作成を義務付けられた4会議のうち、開催頻度が高いのは首相が本部長の対策本部と専門家らによる基本的対処方針分科会。対策本部は政府対応を最終的に決定する場と位置付けられているが、実際の議事では決定事項を確認するにとどまる。毎回作成される議事概要も、首相や関係閣僚のあいさつなど形式的な内容しか記載されていない。
 公文書管理の問題に詳しい龍谷大の瀬畑源せばたはじめ准教授は「政治的な決断の証拠書類となる公文書をリアルタイムに作って公開していかなければ、政府の言っていることを国民が信用しなくなる」と警鐘を鳴らす。

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