都心?郊外?人の動き二極化 コロナ禍、暮らしの変化影響

2021年4月19日 06時00分
 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2020年は東京23区の全区で他道府県への転出者数が19年より増えた。より広い家を求め郊外に移った人から、生活苦で家賃の安い家を探す人など要因はさまざまなようだ。一方で都心のマンション販売も堅調。人の動きが二極化する傾向も出てきた。(原田晋也)

◆家賃ほぼ同額で面積2倍…「都心には戻らない」

 都内のIT企業に勤める太田圭亮さん(31)は昨年7月、夫婦で目黒区から神奈川県鎌倉市に移住した。ともに在宅勤務となり1LDKのマンションが手狭になったためだ。
 鎌倉のマンションの家賃は都内とほぼ同額でも、部屋は3LDKになり面積は約2倍に。週1~2回は仕事で都心に出るが、電車に乗れば東京駅に約1時間で着く。太田さんは「不便はない。コロナ収束後も都心には戻らない」と話した。
 都によると、19年と比べた20年の都外への転出者増加数は世田谷区が2289人で最多。大田区の1507人が続いた。
 都内各区の転出者増の要因について、専門家からは「ベッドタウンに位置付けられる郊外の区ほど人が減った」(みずほ総研の岡田豊主任研究員)との指摘が出ている。①テレワークの拡大で広い家を求める人②コロナ禍で生活が苦しくなり家賃の安い家を求める人―の両方が、こうした地域を離れた可能性がある。

◆都心マンションの売れ行きは堅調

 一方、住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」によると、都心のマンションの売れ行きは引き続き堅調だ。スーモの池本洋一編集長は「コロナ禍の影響を受けず、金銭面に余裕があり『都内が快適だ』と感じている人は動いていない」と指摘。今後は都心に残る層と郊外に移転する層に人の動きが二極化するとみる。

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