黒人男性死亡事件で、被告の元警官に週内にも判決 有罪が出なければ暴動の懸念

2021年4月18日 22時34分
ジョージ・フロイドさんが暴行死した現場=2020年9月撮影

ジョージ・フロイドさんが暴行死した現場=2020年9月撮影

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米中西部ミネソタ州で昨年5月に黒人男性ジョージ・フロイドさん=当時(46)=が死亡した事件の裁判で、殺人罪などに問われた元警官の白人デレク・ショービン被告(45)への判決が週内にも出る。全米で警官の暴力を巡る問題は後を絶たず、判決次第では昨年巻き起こった激しい抗議デモが再燃する可能性もある。
 裁判は19日に検察と被告側の最終弁論があり、12人の陪審員が評議に入る。有罪か無罪かの判断は全会一致が原則で、意見がそろえばすぐに判決が出ることもある。
 最大の争点はフロイドさんの死因。検察側は被告が9分29秒間、フロイドさんの首に膝を乗せて拘束した動画を法廷で放映。証人の呼吸器科の専門家は「(拘束による)酸素の欠乏が脳に致命的な損傷を与えた」と証言。上司の警察本部長も「被告の行為は規則で定められたものではない。命の尊重は絶対的なものだ」と突き放した。
 一方、被告側証人のメリーランド州元検視官トップはフロイドさんの心疾患と薬物摂取、現場の排ガスなどが「組み合わさって死を引き起こした」と弁護。ショービン被告は黙秘権を行使し、何も語らなかった。
 被告は意図的な暴行と死亡との因果関係が強い第2級殺人、非常に危険な行為で死亡させた第3級殺人、過失致死の3つの罪に問われている。最も重い第2級殺人は最長で禁錮40年。複数の罪が同時に認定されることもある。
 今月11日には、フロイドさん事件の現場からわずか10数キロの町で白人女性警官が交通違反で止めた黒人男性を射殺する事件が発生。イリノイ州シカゴでは警官が逃走する少年(13)に発砲して死なせた動画が公開され、抗議デモが起きている。
 米国では警官の実力行使による死亡事件が起訴されて有罪になるケースは少ない。フロイドさんの地元ミネアポリスの社会運動家の女性(24)は本紙取材に「有罪が出ないと暴動になりそうな雰囲気だ」と話し、全米で緊張が高まっている。

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