京王線全駅ヒットパレード in 調布 地元ゆかりの曲 地元ゆかりの曲ゆるり聞く旅

2021年4月19日 06時32分

西調布駅には「新選組!」メインテーマが採用された

 近藤勇の出身地に近い京王線西調布駅で3月下旬、列車接近メロディーにNHK大河ドラマ「新選組!」のテーマ曲が導入され、調布市内の京王線全9駅に地元ゆかりの「駅メロ」が出そろった。幅広い世代の心に残る名曲を聞きながら、のんびりと沿線のゆかりの地を巡る旅に出かけてみてはいかが−。

調布市西つつじケ丘の常楽院にある「思い出のアルバム」の歌碑

 京王電鉄と調布市は二〇一二年から、著作権使用料や音源制作費などの負担を分担しながら各駅の地域の文化や歴史にちなんだメロディーを導入。発車時を含めたご当地駅メロが全国で流行するなかで「一つの自治体内すべての駅で整備されるケースは珍しい」(市産業政策課)という。
 「♪いつのことだか思い出してごらん」。こんな歌い出しの「思い出のアルバム」。つつじケ丘駅では、幼稚園の卒園式の定番曲がオルゴール調のメロディーになって、「まもなく四番線に…」のアナウンスの直前に流れる。

「今日の日はさようなら」の歌碑

 駅南口近くに作曲した本多鉄麿(てつまろ)(本名・慈祐)が住職を務めた常楽院がある。幼稚園の園長も務め、生涯二千曲以上を作った。寺のモミジの木の下には楽譜を刻んだ歌碑があり、孫の本多祐昭住職(50)は「門扉が開いている時間帯なら自由に見てください」と話す。
 柴崎駅は「今日の日はさようなら」。一九六七年に森山良子さんが歌ってヒットしたが、元は六〇年代に同駅近くで活動した、子供会や勤労青年を支えるボランティアグループ「ハーモニィサークル」のキャンプソングだった。作詞作曲は主要メンバーだった金子詔一さん。元リーダーで、公益財団法人ハーモニィセンターの大野重男理事長(87)は「いつまでもあの歌が若い人たちの心をつなぎ、歌い継がれてほしい」と願う。

「ありがとう石原軍団記念乗車券」セットを手にする京王中央管区長の小宮山一成さん

 二〇一八年には市立つつじケ丘児童館に歌碑が建てられた。「歌が調布で誕生したことを多くの人に知ってもらいたい」と、市職員OBの門傅良男さん(75)らの呼び掛けで実現した。
 市内には撮影所など映画関連産業が集積している。
 国領駅は七三年から九一年まで石原プロモーションの事務所の最寄り駅だった。二月下旬、同駅に「太陽にほえろ!」「西部警察」のテーマ曲が導入された時は、ファンも市民も大興奮。京王が発売した記念乗車券には始発前から長蛇の列ができ、二千部が三時間余で完売。ホームでは集音マイクで駅メロを録音する客も。「ファン層が幅広い。これまで経験のない異例な人気ぶりでした」と同駅を管轄する京王中央管区長の小宮山一成さん(54)は振り返る。

天神通り商店街にある鬼太郎のモニュメント。近くには水木プロダクションがある(c)水木プロ

 調布駅は「ゲゲゲの女房」の主題歌「ありがとう」(いきものがかり)。漫画家の故水木しげるさんゆかりの地だ。北口から五分も歩けば水木作品にも登場する布多天神社があり、参道である天神通り商店街ではゲゲゲの鬼太郎らのモニュメントが出迎えてくれる。水木さんの長女・水木プロダクション原口尚子社長は「駅メロに多くの方々がなじんでいただいている。ドラマや水木作品を思い出してもらえ、ありがたい」と語る。
 文と写真・花井勝規
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

関連キーワード

PR情報

TOKYO発の新着

記事一覧