全国民のワクチン、首相「9月までに供給のめど立った」 でも接種完了は不透明 来春までかかる見通しも

2021年4月19日 22時52分
 菅義偉首相は19日、新型コロナウイルスのワクチンについて、接種対象となる国民全員分を9月までに供給するめどが立ったと強調した。だがワクチンを確保できたとしても、接種が9月に完了するわけではない。地方自治体の受け入れ態勢次第で、全員が接種を終えるには「来年春ぐらいまでかかるかもしれない」(下村博文自民党政調会長)というのが現実だ。
 首相は米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)との訪米中の電話協議を踏まえ「9月までに対象者に確実にワクチンを供給できるよう追加供給を要請し、CEOからは協議を迅速に進めたいと話があった」と記者団に語った。
 ワクチン接種を担当する河野太郎行政改革担当相は同日の衆院決算行政監視委員会で「合意内容の公開の了解を得ていない」と、追加供給量などは明かさなかった。その上で「9月末までにファイザーその他のワクチンを含め、接種対象の国民全員に必要な接種が行える回数を確保するめどが立った」と強調した。
 一方で、確保したワクチンを国民が接種するまでの態勢は整っているのか。同日の衆院決算行政監視委でも、野党が「その先(自治体へ)の供給は、スケジュール感を示せるのか」(立憲民主党の池田真紀氏)と疑問を投げかけた。河野氏は「自治体の要望に沿って供給していく」と話すにとどめた。
 受け入れ側の自治体の現状について、自民党の下村氏は同日の党会合で「残念ながら自治体によっては医療関係者が足りない」と指摘。接種が始まった高齢者についても「場合によっては来年までかかるのではないか」とも語った。
 そもそもの政府方針は、ワクチン確保は「2021年前半までに全国民分確保を目指す」。接種にかける期間は来年2月末までと決めている。だが、現時点で6月末までにワクチン確保の見通しが立っているのはファイザー製の約5000万人分だけ。接種も来春までかかるとすれば、どちらも事実上の後ろ倒しとなる。(井上峻輔、村上一樹)

関連キーワード

PR情報

政治の新着

記事一覧