政府が監視していない型の変異株E484K、東京都内で確認多く 大学病院長「全国で対応必要」<新型コロナ>

2021年4月20日 06時00分
 新型コロナウイルスの変異株が首都圏でも広がる中で、東京都内や東北地方では政府がスクリーニング(ふるい分け)検査の対象外とする変異株の感染者数が高止まりしている。昭和大学病院(東京都品川区)では、入院患者の9割を占め、重症者も出ている。独自に監視する都によると、都内では変異株の約4割に上る。ワクチン接種が遅れ気味な中、専門家は、政府が検査対象に加えて対策に生かすよう求めている。(市川千晴)

◆従来株より免疫やワクチン効果を低下させる?

 この変異株は、関西で急増している英国型の変異「N501Y」がなく、「E484K」と呼ばれる変異を持つ。従来株より免疫やワクチンの効果を低下させる可能性があるのが特徴で、由来国は不明だ。
 政府は、N501Yほどの感染力は認められないなどとして、E484Kをスクリーニングの対象にせず、検査をN501Yに限定している。変異株のうち、ブラジル型や南アフリカ型は2種類の変異を両方持つが、英国型はN501Yのみを持つ。
 N501Yを持たず、E484Kのみを持つ変異株は、対策や治療上の必要性から、自治体や医療機関が独自の検査で対応している。昭和大学病院では15日現在、検査でこの変異株を入院患者15人のうち14人で確認。うち1人は重症となっている。
 相良博典病院長はE484Kについて、N501Yほど重症化の危険性はなくても監視の必要性はあると強調。「2種類の検査は時間と手間がかかるが、対象を狭める理由にならない。全国で対象を拡大し対応することが必要」と指摘する。東京医科歯科大の武内寛明准教授はE484Kのみの変異株が「世界中で注意が必要と認識されている」と話す。

◆感染者の割合はN501Yより割合多い

 スクリーニングを終えたものを国立感染症研究所が解析した結果では、E484Kのみを持つ変異株の感染者(13日時点)は2169人。英国型やブラジル型などN501Yを持つ変異株の感染者1341人より多い。都の独自検査では、3月下旬は変異株のうち6割、4月上旬は42%で、変異株で最も割合が高い。
 だが政府は「感染力はN501Yほど認められず、ワクチンの無効化はないとの評価がある」(田村憲久厚生労働相)と説明。検査試薬が十分にないことなどを理由に対象拡大には慎重だ。

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