クルド人ら入管法改正に反対 川口で60人がアピール 難民申請中 3回目以降、強制送還も

2021年4月20日 07時11分
 今国会で審議が始まった入管難民法改正案を巡り、川口市周辺に暮らすクルド人や支援者から懸念の声が強まっている。難民申請中は本国に送還しないという規定を見直す内容で、強制送還される可能性が高まるからだ。「トルコなどに帰れば迫害や差別を受け、人生が崩壊してしまう」と訴えている。 (近藤統義)
 「日本でずっと生きていきたい。どうか私たちを助けてほしい」。十八日、川口市の市民ホール「フレンディア」にクルド人約六十人が集まり、改正案への反対を口々にアピールした。

入管難民法改正案への反対をアピールするクルド人たち=川口市の市民ホール「フレンディア」で

 改正案は強制退去処分を受けた外国人の入管施設への長期収容問題の解消が目的。難民申請が三回目以降の人には原則として送還停止を認めず、退去拒否には刑罰も科す。一方、国連が批判してきた司法審査を経ない収容手続きや上限がない収容期間は、見直しの対象になっていない。
 同市や蕨市には約千五百人のクルド人が生活する。この中には難民申請が認められず、在留資格がない非正規滞在や、収容を一時的に解かれた仮放免の状態の人が少なくない。
 高校生の少年は二歳で来日し、家族で難民申請している。「強制送還されれば両親はトルコの空港で捕まってしまう。自分や弟はトルコ語ができないのに、子どもだけで生活することになる。このまま日本で大学を卒業し、日本社会の役に立ちたい」と語った。
 日本の昨年の難民認定率は1・2%で、先進諸国では突出して低い。クルド人に限れば、日本政府はこれまで一度も難民認定していない。クルド難民弁護団の大橋毅弁護士は認定機関を政府から独立させ、国際基準に沿って判断するよう求め、「日本国民の世論しか難民申請者を助ける道はない」と呼び掛ける。
 難民申請が認められず、不安定な立場に置かれた人たちが、特に影響を受けるのが医療だ。就労が禁止され健康保険に入れないため、治療費が重くのしかかる。

多くのクルド人が訪れた医療相談会=同市のSKIPシティで

 十八日はそんなクルド人向けの医療相談会も川口市のSKIPシティであり、約四十人が来場。足を骨折したものの通院をためらい、足を引きずりながら訪れた男性の姿もあった。
 企画した支援団体「クルドを知る会」の松沢秀延代表は「病状が深刻化している人もいた」とし、改正案について「強制送還すれば、迫害を逃れて日本に来た意味がない。川口には難民申請を三回以上している人がたくさんおり、彼らは将来に不安を感じている」と危機感を示した。

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