入社2年目の駅員発「コロナ禍でも人とつながれる場を」 JR蘇我駅に伝言板、限定復活

2021年4月21日 06時00分
 「コロナをぶっとばせ!!」。新型コロナウイルスの第4波の感染拡大が続く中、JR蘇我駅(千葉市中央区)の構内に今月、かつて多くの駅で使われた伝言板が「復活」し、利用者同士が励ましのメッセージを共有している。4月に新生活を迎える人を応援しようと、入社2年目の同駅員、遊馬真由美さん(23)が制作。「コロナの中でも人と人とのつながりを感じてもらえれば」と願う。(鈴木みのり)

駅利用者がメッセージを書き込んだ伝言板を指さす発案者の遊馬真由美さん=いずれも千葉市中央区のJR蘇我駅で

◆新生活を応援 あふれるメッセージ

 「コロナで思うようにいかないこともあるけれど、一緒にがんばろう」「今踏み出した一歩は必ず夢につながるよ」
 改札を入ってホームに向かう通路の壁に1日に設置された伝言板には、メッセージが毎日、10件ほどチョークで書き込まれる。
 以前は各地の駅にあり、乗客同士が待ち合わせ時間や行き先変更の連絡に使った伝言板。目を留めた千葉県木更津市の派遣社員西村佳子さん(61)は「40年ぐらい前に家の近くの駅にもあったので懐かしい。これで皆の心が癒やされれば」と笑顔で話した。

JR蘇我駅に設置されている伝言板

 元は職員の業務連絡用だった縦約60センチ、横約90センチの黒板に白い線を引き直し、「6時間後は消します」と伝言板によく見られた文言も記載。3月下旬から仕事の合間に同僚にも協力してもらい、1週間で完成させた。周りの壁は造花で彩り「新たな旅立ちおめでとうございます」などと書いた紙も張った。実物の伝言板は見たことがなかったが、インターネットで検索してイメージをつかんだという。

◆30日まで設置予定

 遊馬さんは昨年4月に入社。コロナの影響で入社式や研修の大部分はオンラインで行われた。「同期ともっとつながりたかったし、飲み会などで職場の先輩の話を直接聞きたかったのになかなかできず、さみしかった」。駅での業務が始まっても、コロナによる利用者減少で、仕事量が例年の新入社員より少ないのではないかと気になった。「研修で机上の知識は身に付いても、実践面は大丈夫なのか」と不安が募った。
 コロナ禍でも人とつながれる場を―という思いは、入社1年目の自身の経験からでもある。遊馬さんは「コロナの中でみんな頑張っているのは間違いない。同じ境遇にいるんだという共感のメッセージが伝われば」と、多くの人に活用されることを望んでいる。
 伝言板は30日まで設置する予定。

駅の伝言板 JR東日本によると、駅の伝言板は、移動中の相手との連絡手段がなかった時代に、主に待ち合わせ時間や行き先変更などの連絡に使われた。携帯電話の普及に伴い、現在は多くの駅で撤去されている。1980~90年代に連載された漫画「シティーハンター」では、新宿駅の伝言板に暗号「XYZ」を書くと、主人公のスイーパー(始末屋)冴羽さえばりょうに連絡を取ることができる手段として描かれた。コロナ禍では昨年、JR東神奈川駅(横浜市)でも乗客らが励ましの言葉を書き込む場として期間限定で設置された。

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