「まん延防止等重点措置」効果はあるの? 減らない人出、感染者…大阪、解除50日で3度目「緊急事態」へ

2021年4月21日 06時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20日に神奈川、埼玉、千葉、愛知の4県が追加され、10都府県に適用が拡大した「まん延防止等重点措置」。局地的な感染拡大局面で早期に抑え込む効果への懐疑論が広がりつつある。大阪府は20日、重点措置では十分に抑止できないとして、政府に緊急事態宣言の発令を要請した。政府が発令を決めれば、前回の解除から、わずか50日余で3度目の緊急事態に突入することになる。(生島章弘、小坂井文彦)

大阪府の新型コロナウイルス対策本部会議で天を仰ぐ吉村洋文知事。国への緊急事態宣言の発令要請を決めた=20日、大阪市で

◆変異株対応、甘い見通し

 「感染の予防にも拡大抑制にも効果が出ていない。感染の波が立ち上がり始めた段階での効果は薄いことがはっきりしてきた」
 国民民主党の玉木雄一郎代表は20日の衆院本会議で、重点措置を「中途半端」だと批判し、菅義偉首相に東京都など首都圏や大阪府に緊急事態宣言を発令するよう求めた。
 首相は「重点措置の効果を見極め、自治体とも緊密に情報交換しながら必要な対策を講じていく」と強調した。ただ、変異株が急速に広がる中で、感染拡大が「全国的な大きなうねりとまではなっていない」と語ったのは、わずか6日前。見通しが甘かったことは否めず、この日は「強い危機感を持って対応すべき状況にある」と認めざるを得なかった。
 立憲民主党の枝野幸男代表は党会合で「政府が緊急事態(宣言発令)を躊躇し、大阪では医療崩壊によって救える命が救えない状況になっている。根拠なき楽観論に基づく失敗を繰り返させてはいけない」と主張した。

◆国から大阪に看護婦派遣へ

 重点措置が始まっても、大阪市内の繁華街の人出はあまり減っていない。府の新型コロナ対策本部会議に提出された資料によると、5~12日平均の梅田駅(大阪市)の滞在人口は、2度目の緊急事態宣言解除から重点措置開始までの平均より12%ほど減った。だが、宣言期間中の平均よりは14%ほど増えている。
 ソフトバンク系IT企業「アグープ」のデータによると、直近の週末の梅田、なんば両駅の人出は、前週よりも増えた。

大阪・梅田を歩くマスク姿の人たち=20日夕


 感染拡大の勢いは一向に収まらない。府では今月3日、新規感染者が666人となり、第三波のピーク(654人)を超えた。13日には1000人を突破。20日は1153人だった。
 重症者は新規感染者に続く形で増えている。3月17日には54人にまで減っていたが、3週間後の今月7日は約3倍の158人で、19日には302人に増えた。
 府は今月、重症病床を254床に増やした。国から看護師を派遣してもらい、重症者専用プレハブ病棟「大阪コロナ重症センター」をフル稼働させ、さらに9床増やす予定だが、重症者増に病床確保が追いつかない。吉村洋文知事は20日、「医療提供体制は極めて厳しい」と語った。

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