例大祭 一大イベントに 戦災逃れた神輿、90年ぶり修復 麻布氷川神社

2021年4月21日 07時22分

約90年ぶりに修復された神輿=麻布氷川神社で

 戦災で長く蔵に入ったままだった港区元麻布の麻布氷川神社の宮神輿(みこし)が、約九十年ぶりに修復された。来年秋の例大祭で、昔のように牛車で周辺を回る構想もあり、地元住民有志は「麻布の一大イベントにしたい」と夢を膨らませている。 (宮本隆康)
 修復に協力した地元のNPO法人「麻布氷川の会」などによると、宮神輿は大正末期から昭和初期に作られたとみられる。数百キロの重さがあるうえ、周辺は急な坂が多いため、秋の例大祭では牛に引かせて地元を回っていた。
 戦時中の空襲で、神社の敷地の半分程度は焼けたが、神輿が入った蔵は焼失を免れた。しかし、蔵に入ったままで、地元の引き回しは途絶えた状態が続いてきた。例大祭の日には蔵の門が開けられたが、神輿の存在を知らない住民も多かったという。
 地元有志が五年ほど前に修復を計画。看板を立てるなどして呼び掛け、氏子たちから寄付を集めた。ネットで募金を集めるクラウドファンディングも使い、一千万円以上を集めた。
 昨年二月、台東区で神輿の製作や修理をする「宮惣(みやそう)」に修復を依頼。六代目の種谷吉雄社長(66)らが解体し、部品の傷みなどを点検した。大きな破損はなく、クギなどを使わず再び組み立て直し、金箔(きんぱく)や漆を塗り直した。
 宮神輿は約百二十センチ四方で、屋根に鳳凰(ほうおう)があしらわれている。二輪の源氏車に載せられた状態で、高さは約四百二十センチになる。
 コロナ禍で、昨年秋の例大祭でのお披露目は断念。感染対策で大勢が集まらないように、今春から分散開催で、氏子や地元小学生らへのお披露目式を開いている。
 来年は牛二頭を用意し、神輿の引き回しを目指す考え。麻布氷川の会の清原元輔理事長(74)は「昔と同じように牛で引っ張るなんてロマンがあるでしょう。麻布の大きなイベントになると思う」と期待している。

昭和初期に牛に引かれていた神輿=麻布氷川神社提供


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