海外で別姓婚の日本人夫婦、戸籍記載の訴え退ける 「日本でも婚姻自体は有効」と国の判断覆し一歩前進

2021年4月21日 21時11分
判決後、リモートで記者会見する想田和弘さん(モニター左)と妻の柏木規与子さん(同右)=21日、東京・霞が関の司法記者クラブで

判決後、リモートで記者会見する想田和弘さん(モニター左)と妻の柏木規与子さん(同右)=21日、東京・霞が関の司法記者クラブで

 米国で別姓のまま結婚した夫婦が、日本でも婚姻関係にあることの確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁(市原義孝裁判長)は21日、「婚姻自体は成立する」と認めたものの、不服があれば家裁に申し立てるのが適切として、戸籍への記載などを求める訴えを退けた。
 原告は米ニューヨークで1997年、別姓のまま結婚した映画監督想田和弘さん(50)と映画プロデューサー柏木規与子さん。2018年、日本で婚姻届を出したが受理されなかったとして提訴していた。
 市原裁判長は判決理由で、2人は米国での結婚が法的に成立していることから、日本でも婚姻自体は有効に成立すると認定。国の「日本で婚姻は成立していない」とする主張を退けた。
 一方で、夫婦同姓を定めた民法の規定を「合憲」とした2015年の最高裁大法廷判決を踏まえ、別姓では戸籍に記載できない戸籍法の規定は「合理性のない制約とは言えない」と判断した。
 判決後、原告側は東京・霞が関の司法記者クラブで会見。オンラインで参加した想田さんは「私たちが日本でも夫婦であると認められて本当に良かった」と笑顔を見せた。柏木さんも「選択的夫婦別姓の実現に向けた大きな一歩だ」と喜んだ。代理人の竹下博将ひろゆき弁護士は「選択的夫婦別姓の議論は加速するだろう」と評価した。
 立命館大の二宮周平教授(家族法)は「夫婦別姓が認められる海外での婚姻が、国内でも有効と判断された意義は大きい。日本の現制度の不備が浮き彫りになった。国は選択的夫婦別姓の導入を前向きに考えるべきだ」と指摘した。
 選択的夫婦別姓を巡って最高裁は昨年12月、事実婚の夫婦3組による訴訟を大法廷で審理することを決めている。(山田雄之)

関連キーワード

PR情報