SNSで広がる世界 シニアも楽しく活用 92歳女性、ツイッターで若い世代と交流

2021年4月22日 07時46分

1人用こたつに設置した愛用のパソコンの前に座る長谷川昌子さん=埼玉県坂戸市で

 ツイッターやインスタグラム、フェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)や、動画投稿サイトのユーチューブ。スマートフォンやパソコンでできるこれらのサイトは、今や世代を問わず使いこなす人が増えている。コロナ禍で思うように出掛けられない中、インターネットでの交流は人生を楽しむコツの一つだ。 (神谷円香)
 埼玉県坂戸市の長谷川昌子さん(92)は三月、世界同時発売されたばかりの作家カズオ・イシグロの最新作を読み終えた感想を「文章の美しさ進み方はさすがのイシグロ流」などと早速ツイッターにつづった。販売開始とほぼ同時に電子書籍で購入し、すぐに読んだ。
 七十歳のころから孫と一緒にパソコンを覚え、文章を打ったり、ネットで買い物をしたりしていた。二〇一〇年、八十歳を過ぎて「マダム昌子」の名でツイッターを始めた。
 初めは情報収集のためだったが、次第に読書の感想や日々のつぶやきをつづるようになった。「言葉遣いがきれい」とコメントが寄せられると、「世代も違うお若いお方からのお褒めお言葉頂き、赤面しながらもうれしい思いでおります」と返して交流を楽しむ。
 長男夫妻、孫と二世帯住宅で同居するが、身の回りのことも、パソコン関係のこともほぼ自分でこなす。徒歩圏内のスーパーが閉店してからは、日用品や生鮮食品をネットで買う。スマホ決済アプリ「ペイペイ」も家族が知らぬうちに自分で登録し使い始めた。
 介護も不要で元気なものの、コロナ禍で外出は減っている。それでもツイッターで他の人の投稿を読んだり動画を見たり、ネットのおかげで退屈はしない。
 「人生はいくつになっても楽しい。自由気ままに暮らせるのは、老後じゃないとできない」と話す。
 青春時代に戦争があり「やりたいことができなかった反動が今きている」とも。「マダム」と名乗るのも女学校で習えなかった英語や海外への憧れがある。フォロワーは徐々に増え、今は千八百人ほど。外国に住む日本人もフォローしてくれ、それぞれの国の様子を教えてもらえる。
 「いろんな方とお会いできる。交流させてもらえるのがうれしい」と、広がる世界を楽しんでいる。

◆63歳ユーチューバー 日常の動画、100万回再生

 第二の人生を楽しむ六十代以上のSNSは盛んになっている。ツイッターのフォロワーが何万人もいたり、ユーチューブの動画が何万回も再生されたりと、注目を集める人も多い。
 大阪府枚方市の服部美智子さん(63)=写真=は昨年三月、ユーチューブに自身のチャンネル「pokkoma life」を開設した。三人の子どもが家を出て、仕事も退職し夫婦二人暮らし。子どもや孫に「こんなおばあちゃんだったと伝えられたら」とスマホで日常の動画を撮り、三カ月掛けて映像編集ソフトで十二分間の動画を初めて作った。
 夜勤で働く夫の帰りを待つ朝のルーティンとして、自身の顔は映さずに水回りの掃除や食事の準備をする手元だけを撮影したもの。それが「平凡なのになぜ」と驚くほど再生され、百万回を超えた。その後の動画も好評で、チャンネル登録者は現在三万人を超える。
 何げない日常をゆったりした長さで撮影し、字幕で丁寧に解説する動画には「ほっこりする」「すてきな生活」とコメントが集まる。服部さんは「励ましてもらえてありがたい。元気を頂く」と喜ぶ。
 匿名での中傷が問題にもなるSNS。でも使い方次第で、年齢に関係なく、人との交流を広げていける。

服部美智子さんが初めて投稿し100万回以上再生されている、夫の夜勤明けの日常を撮影した動画

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