<プロに聞く くらしとお金の相談室>投資開始 タイミングが難しい

2021年4月22日 08時04分
<Q> 将来に備え、投資を始めてみようと思っています。でも最近、日経平均株価が3万円を突破したというニュースを見て、どうしようか迷っています。株価が高いときに投資を始めると、下がったときに損をしてしまうと思うからです。投資を始めるのは、もう少し待った方がいいのでしょうか。

◆積み立てでリスク分散 ファイナンシャルプランナー・石原玄紀さん

<A> 投資の初心者で、すぐに利益を得たいわけでないなら、目標額を決めて一定額を毎月、投資信託に積み立てることをお勧めします。
 株式投資の原則は「安く買って高く売る」。でも、株価が下がっているときは「もっと下がるのでは」、上がっているときは「高いのでやめた方がいい」と考え、なかなか踏み切れない。一度にまとまった額を投資する方法は、タイミングの見極めが難しいのです。
 積み立て投資は長期にわたって少しずつ買うため、タイミングを分散でき、株価などの影響も平準化されます。月々100円から購入できる証券会社もあります。
 初心者は、複数の株式や債券などに分散して投資する「バランス型」が始めやすいでしょう。一般的に、好景気で株価が上がれば金利も上昇します。金利が上がっても、既に出回っている債券の金利は上昇前のままなので人気が落ち、価格が下がります。このように反対の動きをする資産に分けて投資することで、リスクを抑えることができます。一つの会社の株式だけを買っていて、倒産で資産がゼロに、ということもなくなります。
 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人は国内株式と外国株式、国内債券、外国債券の4種類の資産を均等の割合で運用しています。私たちの年金もバランス型の考え方で運用されているのです。
 投資信託が値下がりすると不安になり、積み立てをやめてしまう人も少なくありません。しかし、値下がりしている間は、その分、同じ金額でより多く買うことができ、後に株価などが上昇したときに利益となります。解約して現金化するタイミングは、教育資金や住宅資金、老後資金など、まとまったお金が必要なときが良いでしょう。
 株価が下がっても慌てずにどっしり構えて、資産形成を続ける忍耐を持ち、長期、分散、積み立てを基本とすることが大切です。

<キーワード>投資信託 多彩な商品をプロが運用し分配

 投資信託は「ファンド」とも呼ばれ、多くの投資家から集めた資金をファンドマネジャーと呼ばれる投資のプロが運用し、その成果を投資家たちに分配する金融商品。証券会社や銀行などが販売している。
 国内外の株式や債券、不動産など、投資する資産の種類や配分の割合によってさまざまな商品があり、海外の株式に特化したものや、株式や債券にバランス良く投資するものなどがある。運用のスタイルによって、日経平均株価などの指数と同じ動きをするように機械的に運用する「インデックスファンド」、ファンドマネジャーの裁量で運用する「アクティブファンド」の二つに大きく分かれる。
 投資信託を購入するときの単位を「口」と呼び、多くの場合、1万口当たりの価格を「基準価額」として表す。基準価額は運用の成果によって変動するため、購入の口数に応じた投資家の持ち分の価値(評価額)も上がったり下がったりする。それまでの購入額を評価額が上回っているタイミングで投資信託を解約して現金化すれば、運用益が確定する。購入額と評価額の差益のほか、定期的に分配金を受け取れる商品もある。
 投資信託は購入時や運用時などに手数料がかかる。商品や金融機関によってさまざまだが、基本的にインデックスファンドの方が安く抑えられている。
 活用を検討したいのが個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」、少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」といった国の制度。運用益が非課税になるなどの優遇措置を受けられる。 (河郷丈史)

ファイナンシャルプランナー・石原玄紀さん

<いしはら・げんき> 1979年、名古屋市生まれ。2020年、証券会社時代の仲間と金融商品仲介業「きわみアセットマネジメント」を立ち上げた。日本FP協会の国際資格CFPを持つ。

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