<社説>緊急事態宣言へ 感染抑える決意を示せ

2021年4月22日 08時11分
 三度目の緊急事態宣言が東京、大阪、京都、兵庫の四都府県に発令される見通しとなった。変異株を含め感染拡大は深刻だ。政府は感染を抑える強い決意を示し、可能な限りの対策を講じるべきだ。
 新型コロナウイルスが社会を覆い尽くして一年以上がたつ。長引く自粛生活により、感染への危機感が薄れる「コロナ慣れ」という新たな課題にも直面している。
 感染を抑え込み、医療態勢の逼迫(ひっぱく)を乗り切るには、人々が危機感を共有し、対策への理解を得ることが必要だが、先頭に立つべき菅義偉首相から「国民を守り抜く」との強い決意は伝わってこない。対策の効果を上げるには政治のリーダーシップが不可欠だ。
 感染力が従来株より強いとみられる変異株の拡大は、都市部を中心に止められない状況だ。
 厚生労働省の専門家会議は、関西圏だけでなく首都圏や中京圏でも現役世代に変異株の感染が広がり、いずれ高齢者にも感染が波及して重症化する人が増える懸念があると分析している。
 もはや会食での感染対策だけでなく、社会のあらゆる場面で人の接触や流れを抑えないと、感染症の猛威を抑え込めないだろう。
 緊急事態宣言を発令すれば、店舗などに営業時間の短縮要請に加えて、休業要請・命令が可能となる。私権制限には慎重であるべきだが、もし制限を課すなら、国民の十分な理解と納得が前提だ。
 政府は宣言発令に当たり、まず先行実施中の「まん延防止等重点措置」の効果を検証した上で、必要な対策と経済への影響、休業や営業短縮などを強いられる事業者への支援策などを併せて国民に説明し、理解を得る必要がある。
 感染症対策の目標は、医療逼迫をより短期間に抑えて重症者や死亡者を少なくすることだ。必要な医療が提供できなくなる医療崩壊は絶対に防がねばならない。
 大阪府内の医療機関はコロナ対応に追われ、一般診療にも支障が出ている。その中で自治体間協力で看護師らの派遣が動きだした。各知事は患者の搬送なども含めて広域連携を進めてほしい。
 最近では、夜の人出増加が感染拡大の予兆となることが分かり、迅速な対応がある程度可能となった。実施した対策にどの程度の効果があるかも分かってきた。
 政府はこれまで感染が拡大した後に対策を打ち出して「後手」と批判されてきたが、もはや許されない。政府も自治体も危機対応に先手が打てるかが問われている。

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