「とめ、はね、はらい」ができていないとテストは0点…小1の担任の指導は厳しすぎる!?

2021年4月22日 18時00分
 習字のような「とめ、はね、はらい」ができていないと、漢字ドリルは全てやり直し。テストは0点―。小学1年の担任のこうした指導に対し、保護者から「厳しすぎる」という悩みが届いた。どこまで丁寧に字を書かせるべきか思案している保護者は多いはず。西日本新聞がウェブサイトで意見を募ったところ、保護者や教育現場からさまざまな声が届いた。字体の指導は、どこまで厳格であるべきか。 (西日本新聞・四宮淳平)

学年別漢字配当表とは「とめ」などが異なるため、減点された小学1年生の漢字プリント

 「同じタイプの厳しい先生がいたが、数年後は皆さん感謝していた」「高校生や大学生の指導をしているが、字が雑で読めないことがある」「大学教員として国語の入試の採点をした。とめがはねになっている場合や、雑で判別が難しい字も不正解」…。
 冒頭の教師の指導に賛同する立場からは、こうした投稿が寄せられた。中には「とめ、はね、はらい」が不完全な字に丸を付けた担任に「小学生は基本が重要。習っていないのと、知って省くのでは意味が違う」などと訴え、指導を変えさせたという保護者も。
 北九州市の小学校に30年勤務した教員は、採点の裁量は各担任にあるため、クラス間でも差は生まれるとした上で「教えた通り書けていない場合は減点し、0点にはしなかった」と自らの体験を紹介した。
 一方で、福岡県の小学校教員は「とめ、はね、はらい」を基準に減点することは「誤り」だと投稿した。根拠とするのは学習指導要領解説の国語編だ。字体は骨組みであるため、実際に書かれた場合は無数の形状があり、「正しい字体であることを前提とした上で、柔軟に評価することが望ましい」と書かれている。
 だが、文部科学省教育課程課の見解は異なる。「国語ではなく、社会や理科など他教科で書いた字は『とめ、はね、はらい』ができていないからといって、減点はしないという柔軟な評価を意味する」と説明する。
 学習指導要領には「漢字の指導においては、学年別漢字配当表に示す漢字の字体を標準とする」とあり、漢字テストや書写では配当表通りの「とめ、はね、はらい」が求められるという。ただ、実際にどこまで減点するかは「各校の判断」と付け加えた。
 一方、小中学校に長年勤務した平嶋一臣・純真学園大客員教授(国語表現法)は、厳しい指導で「書くことが嫌い」になることを懸念する。鉛筆をうまく扱うには「指の筋肉が動作を覚えるような地道な練習が必要」だからだ。
 冒頭の保護者も、小1の子どものやる気が損なわれていることを気にしていた。幼稚園や小中学校で書の出前授業をしている平嶋さんは「とめ、はね、はらい」がきっちり書けるのに越したことはないとした上で、「もう少し子どもの発達を緩やかに見守ってはどうか」と強調した。
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