女性は議員になりたくても…半数近く「家事・育児と両立困難」で断念 内閣府調査

2021年4月22日 18時00分
 秋までに実施される衆院選は、政党に男女均等の候補者擁立を促す「政治分野における男女共同参画推進法」の施行後初となる。衆院議員中の女性比率9.9%(1日現在)に象徴されるように、女性議員が少ない理由を探った内閣府の調査では、家事や育児との両立が困難と考える女性の割合の多さが、その背景にあることがデータで示された。(柚木まり)

次の衆院選で女性候補者の大幅増を訴える「クオータ制を推進する会」のメンバーら=国会内で

◆男女同数義務化 盛り込めず

 「クオータ制を想起させる法改正は、(自民党)全体の空気として厳しい」
 女性議員増に取り組む超党派議連が15日に開いた会合で、自民党参院議員は、議連が目指す女性候補者数の目標設定を各党に義務付ける法改正について、党内の理解を得ることは難しいとの立場を示した。
 推進法が促す男女均等の候補者擁立は、政党の努力義務。現職議員が多い自民党は女性候補を新たに増やすことに必ずしも積極的でなく、議連は国会で提出を目指す改正案に義務化を盛り込まないことにした。
 女性の政治参加に関する意識に関して、内閣府は昨年6月から今年3月にかけて調査を実施。国会や地方議会選挙で立候補を取りやめた人への調査では、994人(女性494人)が回答した。
 断念の理由については、女性からはプライバシーの確保、当選後の家事や育児との両立が困難との回答がともに40%を超えた。旧姓を含む通称使用ができないとの回答も30%近かった。

◆現職の34%「セクハラ被害」

 議員になっても、女性は同様の課題に苦しむ。同じ調査では、現職の地方議員5513人(女性2164人)も回答。「家事・育児との両立が難しい」とした女性の割合は男性の2倍以上で、「性別に基づく差別やセクハラ」を挙げた女性は34・8%。男性の2・2%と大きくかけ離れた。
 政府は、クオータ制など実質的な機会均等を果たす「ポジティブ・アクション」と呼ばれる取り組みを進めるが、この調査では女性議員を増やすのに有効と考える男性の割合は、女性よりも大幅に少なかった。

◆男性中心の候補者選び、脱却を

 椙山女学園大の大木直子講師(ジェンダーと政治)は「立候補前だけでなく当選後も、女性が男性以上に性差別やハラスメントをストレスに感じていることが数字に表れた」と分析。「男性中心の候補者選びでは人材確保が難しい。ハラスメントの相談窓口に加え、議会運営のあり方も見直す時だ」と指摘する。
 早稲田大の尾野嘉邦教授(政治行動論)が有権者約3000人に行った実験では、参院の権限が衆院より弱いと強調すると、参院選で女性候補を選ぶ傾向が高まった。尾野氏は「有権者は女性が権力的な地位に就くことを嫌う傾向にある。政治家は選挙で有権者に投票をお願いする立場になり、男性よりハラスメントを受けやすい女性は立候補の際に恐怖を感じることも多いのではないか」と話す。

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