東京都は感染者1日700人超えると病床不足に…変異株の急拡大で現実味 3度目宣言発令要請

2021年4月23日 06時00分

会見で変異株の急拡大を懸念する小池百合子知事(右)=東京都庁で

 新型コロナウイルス感染症対策で、東京都が緊急事態宣言の3度目の発令を政府に要請したのは、変異株による感染者急増で医療提供体制が崩れかねないとの強い懸念があるためだ。都内では22日、2度目の宣言解除後の最多となる861人の新規感染者が報告された。同日の都モニタリング会議後、都医師会の猪口正孝副会長は「危機的な状況に逼迫ひっぱくしていくだろう」と焦りをにじませた。

◆よみがえる「1月の危機」

 「新規感染者数を700人ぐらいに抑えるのも(医療体制を維持するための)一つの方法」。今月13日の都医師会の記者会見で、猪口氏は1月の「第3波」を振り返り、「第4波」への備えの必要性を訴えた。
 都内ではコロナ患者用に約5000床を確保している。ただ、患者が急増すると入院調整などが追いつかず、全ての病床を使うことは難しい。
 感染者のうち、軽症・無症状者を除いた25%ほどが入院が必要になるとされるが、1月のピーク時は、全療養者数に占める入院者の割合は約15%まで低下し、入院できないケースが生じていたとみられる。
 適正レベルで受け入れるには、入院患者の平均入院期間15日間を前提にすると、一日あたり新規感染者の発生は700人が目安になるという。

◆6044床確保だが「2週間後は感染者6000人超」

 だが、変異株の急拡大は止まらない。この日の会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は「単純な仮の試算」としつつ、変異株の感染力の強さによって「2週間後の新規陽性者数は約2000人超、入院患者数は約6000人超になると推計される」と指摘する。
 都は「コロナ患者用に転用可能な病床を含めると、6044床を確保している」としているが、その病床を「フル稼働」しても、全てが埋まる可能性が出てきた。
 猪口氏は会議後の取材に「病床の稼働率を上げる努力や、宿泊療養や自宅療養のフォローアップ体制も整えている」と述べたが感染拡大の速度に追いつけるかは見通せない。

◆小池知事「一刻の猶予もない」

 会議後、小池百合子知事は「より強い対策が必要。一刻の猶予もない」と宣言の必要性を強調した。都医師会の役員は「日本はワクチン接種が遅れ、若者の緊張感もなくなってきている。ここでどれだけ行政の強制力で(感染状況や人の動きを)コントロールできるかだ」と指摘した。 (松尾博史)

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