東京五輪まで3カ月 海外選手、事前合宿どうする 実施予定の県内自治体、受け入れ準備に苦慮

2021年4月23日 07時43分

準備が進むサーフィンの競技会場周辺=一宮町で

 東京五輪の開幕まで二十三日で三カ月となる。千葉県内では五輪でフェンシングやサーフィンなど四競技が開催されるが、新型コロナウイルスの影響で開催に向けた動きが不透明で、海外選手の事前合宿を受け入れる県内自治体は準備に苦悩する。海外からの観客の断念で「五輪特需」も見込めず、盛り上がりを欠いたまま本番が近づく。 (鈴木みのり、山口登史、中谷秀樹)
 事前合宿を予定する県と十四市町(パラリンピックを含む)への取材で、現時点で合宿断念を決めた自治体はなかったが、ベリーズを受け入れる横芝光町は「コロナ対策ができるか不安なので検討中」とした。旭市はザンビア代表を受け入れるが、ドイツ卓球チームについては「事前キャンプは難しく、選手村に直接入る方向のようだ」と説明した。ナイジェリアを受け入れる木更津市は「相手側から返信がなく連絡が取れない。国がコロナ対策を決めないとこちらも動けない」と困惑する。
 世界のトップアスリートと地元住民の交流については、国から接触する催しは控えるよう要請されている。旭市の担当者は「コロナ前までは小中学生と一緒に練習することなどを考えていたが、今は遠くからの練習見学を検討中」と話し、オンライン交流も視野に入れている。米国の男子体操チームが合宿予定の船橋市は「選手団が船橋にいる間に感染したら大変なことになる」と神経を使う。
 大会組織委員会の橋本聖子会長は今月二十一日、参加選手のコロナ検査を原則毎日実施する方針を示し、実現すれば事前合宿中も適用される可能性がある。県担当者は「変異株の拡大もあり感染防止対策がさらに厳しくなれば、受け入れ自治体の人員やコストの負担が増大する。相手国も事前合宿の利点を得られなくなるかもしれない。県内でも断念する例が出てくる可能性がある」と心配する。
 競技会場周辺も機運は上がってこない。五輪史上初のサーフィン会場で一宮町の飲食店兼宿泊施設「エリアスガーデン」を運営する清水直樹さん(55)は「『一宮』や『釣ケ崎』の名を世界に覚えてもらえる機会」と期待を寄せる一方で、「コロナ感染が収まっていないのに、大会自体が本当に開催できるのだろうか。何かあってからでは取り返しがつかない」と不安を口にした。

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