<社説>休業要請 手厚い支援が前提だ

2021年4月23日 07時49分
 政府が東京、大阪、京都、兵庫の四都府県に三度目となる緊急事態宣言を発令する。商業施設への休業要請も行う。一層の経営上の負荷がかかることは確実であり、支援策の拡充が必須である。
 政府は休業要請の具体的な中身を二十三日に公表するが、対象は百貨店やテーマパーク、飲食店など幅広い業種となる見通しだ。新型コロナ感染が急拡大する中で人の流れを食い止める必要があり、やむを得ない措置だろう。
 ただ、各商業施設はすでに大きな打撃を受けている。百貨店の場合、最初の宣言があった昨年四、五月の売り上げは前年と比べ六割から七割落ち込み、その後も回復しない状況が続いている。
 外食産業も規模の大小を問わず苦境に立たされている。帝国データバンクによると、四月中旬現在のコロナ倒産は千三百三十九件で、このうち飲食店は二百十二件と業種別のトップだ。
 日本百貨店協会や外食大手で組織する日本フードサービス協会が休業要請の回避を強く求めているが、経営の現状を見る限りその要請は理解できる。
 しかし国内のワクチン接種も遅れ気味で、思い切った措置を打たなければ感染拡大を防ぎきれないのは自明の理だ。
 今必要なのは休業による落ち込みを最小限に抑えるための公的な支援の強化だ。百貨店だけでなくショッピングセンターや飲食店は取引先が多岐にわたる。手厚い支援を怠れば中小を中心に連鎖倒産が激増するのは必至だ。
 国は本年度予算に盛り込んだ五兆円の予備費を躊躇(ちゅうちょ)なく活用すべきである。地方自治体も、国から受け取ったコロナ対策のための地方創生臨時交付金をフル活用してほしい。
 中小を対象とした新たな支援金の枠組みも必要だ。経済産業省など関連官庁は早急に知恵を絞ってほしい。間もなく期限が切れる雇用調整助成金の特例措置は当然延長すべきである。
 百貨店などの経営悪化に備え、大手金融機関は融資体制を整える必要もある。国はこうした支援融資に対する税制上の優遇措置も視野に入れるべきだろう。
 宣言後、新たな補正予算編成も課題に上るはずだ。だが財政には限界がある。
 昨年度の三次補正のようにコロナ対策とは直接関係のない予算を盛り込まぬよう、強くくぎを刺しておきたい。

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