新たな温室効果ガス削減目標 米中が主導権めぐりせめぎ合い 気候変動サミット

2021年4月23日 10時21分
 【ワシントン=吉田通夫】バイデン米大統領は22日、気候変動サミットで新しい温室効果ガスの削減目標を表明し、各国にも積極的な対応を求めた。これに対し、安全保障などで対立する中国の習近平国家主席は協力姿勢を示しつつ「緑の『一帯一路』の構築に向けた共同の取り組みを進める」と中国中心の枠組みづくりにも言及。主導権を巡ってせめぎ合った。
 米国は新たに2030年の温室効果ガス排出量を05年比で50~52%減らす目標を掲げた。温暖化対策に後ろ向きだったトランプ前政権の路線を転換し、国際的な指導力の回復を目指す。バイデン氏は冒頭演説で「特に世界最大の経済規模を代表するわれわれが取り組みを強化しなければならない」と訴えた。
 菅義偉首相も足並みをそろえ、30年度に13年度比で46%削減を目指す新たな目標を表明。「トップレベルの野心的な目標を掲げることで世界の脱炭素化のリーダーシップをとっていきたい」と述べた。カナダのトルドー首相も30年の目標を05年比40~45%減に上方修正した。

◆中ロは米の前倒しに応じず

 一方、温室効果ガスの最大排出国である中国の習氏は「米国を含む国際社会と協力する」と石炭の消費削減を表明。しかし、30年までに二酸化炭素(CO2)排出量を減少に転じさせる中期目標と、60年までに実質ゼロにする長期目標は据え置き、米国が呼び掛ける目標の前倒しには応じなかった。
 米国と対立するロシアのプーチン大統領も「国際協力を活発にすることに真剣に取り組んでいることを強調したい」と述べるにとどめ、新たな削減目標は示さなかった。
 サミットには40カ国・地域の首脳が出席。官民投資などテーマ別の会合も開かれ、自治体レベルでの会合では小池百合子東京都知事が取り組みを紹介するなどした。23日は温暖化対策と経済成長との両立などについて話し合い、閉幕する。 

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